ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)
ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
それと名指しで書いてはいないが、著者は宇野功芳が、あるいは彼の独断的な批評の在り方が嫌いなのだろう。今思えば、確かにそれは前世紀的ではあった。金聖響のベートーヴェンは全く違っていた。最初の和音がこんなに明るく響いている。それなら交響曲の全編を純音楽的に響かせてみよう、といった姿勢が貫かれている。ベートーヴェンの交響曲から物語と神話を剥いでいって音楽を奏でるのである。ここくるまでにアーノンクール等のピリオド楽器による古典派の演奏が果たした役割も大きいだろう。やはり、彼らがこうした演奏に先鞭をつけたのだから。
2017/12/10
太田青磁
改めて9曲どれも名曲ですね。時代背景や譜面の一部を載せた解説を読んで、おもわず鼻歌混じりで読んでしまいました。ベートーヴェンの当時の革新的スタイルに、こだわりポイントやロックやジャズとの比較に新たな演奏を模索する著者のチャレンジ精神を感じますね。個人的にはエロイカが1番好きですが、第9が1番聴いてるかも。1、2、8は金聖響さんの指揮で聴いて見たいですね。スコア見ながら聴きなおしたら、いろんな音が立体的に聴こえてくる気がします。コンサートに行きたくなりますね。
2012/03/18
かるかん
『諸君、拍手を!喜劇は終わった』 章が交響曲ごとになっているので、あとで読み返しやすいかもしれない。 ちょっとしたベートーヴェンの生活や気性についても書いてあったり、記号についての説明についても補足されているのでクラシック通でなくてもまったく問題なく読める。
2014/06/05
寝落ち6段
ベートーヴェンの9つの交響曲についての解説。正直、楽譜を見ても何一つ読み取れないので、どの部分がどのように演奏されているのかはさっぱりわからない。しかし、ベートーヴェンの生きた時代と彼の性格などを曲調に合わせて語っているので、門外漢でもなるほどなあと納得できる。恐らく200年前の音楽を完璧に再現することは不可能だと思う。指揮者が曲を解読し、そこに物語性を見出し、再構成する。聴く側は、そこに浸ろうとする。指揮者が違えば解釈も変わるので、曲には無限の想像性がある。古典音楽の面白さがわかってきたかもしれない。
2024/11/04
Hiro
指揮者 金聖響さんによるベートーベン9つの交響曲の解説の書。専門家による“香り深い”解説なんかと違って、一般人が入って行きやすい、近寄りやすい内容で◎
2024/03/02
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