社会を変えるには (講談社現代新書 2168)
社会を変えるには (講談社現代新書 2168) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
個々の論がとりわけ斬新だというのではないのが、全体としては強い説得力を持っている。それは、なによりも著者の誠実さの故であろうと思う。現状の社会分析も、なるほどそういうことであったのかと説得される部分も多い。私たちの、ほぼ誰もが今の社会のあり様には満足していない。これは、そういう私たちへの「運動」のすすめだ。政治家に「陳情」したり、はたまた反政府「組織」を作ろうといったものではない。著者はもはや、そうした行為には限界があると言う。だから、フレクシブルな「運動」こそが社会を変えていくのではないかと述べるのだ。
2016/08/22
遥かなる想い
2013年新書大賞受賞。 タイトルは地味だが、 日本社会の立ち位置、 社会運動の変遷、 などを改めて考えるには 最適の書である。 今、日本はどうなって いるのか?工業化社会から、 脱工業化社会に移るとは、 どういうことなのか? 昔の学生が持っていた 使命感は今本当に なくなってしまったのか。 現代日本が抱える様々な 課題と、変遷の基礎を 勉強させていただいた、 そんな本だった。
2015/07/01
mitei
今の社会がどのような経緯を辿っているのか?社会活動が本当に効果があるのか?結局社会はどうすれば変わるのか?本書は多くの示唆に富んだ一冊でどこから読んでも気付きがあった。また著者の他の本にもあたってみたい。
2013/03/06
佐島楓
社会運動史として、特に60年代安保史として読んだ。いろいろな本を読んで、どうしても理解できなかった原理の部分が平易な言葉で書かれているとは思ったが、なぜ内ゲバが当時の学生も嫌っていたはずの激しい暴力という形で噴出してしまったのかは私の中で納得がいかないままであった。また中盤の社会思想史は不要とまではいかないがこの文脈ではカットできるところも多いのではないか。社会の多様化に対応するには一人ひとりが知識を蓄え自分を守るしかないということは常々考えていることであった。万人に対応できる政策とは何かということも。
2019/08/18
i-miya
2013.11.07(2013.08.18)(つづき)小熊英二著。 2013.11.05 (p214) ◎「聖なるもの、俗なるもの」。 ところが、お祭りの場合、一夜限りのものであるはずなのに、生活の無常の領域と違い、永遠に続いているかのような感覚を抱ける世界です。 「映し世」-この世は、幻であって、影のようなもの。 これをキリスト教世界の場合は、神こそが実在で、この世は、神の息吹で作られたものに過ぎない、と考えます。 聖書、「最初に言葉があった」と始まり、「光あれ」という神の言葉でこの世に光が出現する。
2013/11/07
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