私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書 2172)
私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書 2172) / 感想・レビュー
抹茶モナカ
分人主義の入門書。著者が創作活動の中で行きついた考え方。処世術として魅力的で、可能性も感じる。ただ、新型うつ病を分人レベルで病んでいる、という説明は、納得行かないところ。ちょっと乱用すると危険な感じもした。
2015/01/12
ehirano1
「分人」といコンセプトがなかなか刺激的でした。私の中では「分人」=「数字が項目化したサイコロ」というイメージで、このサイコロは他人を含めた環境と相互作用することで出る目(=項目)はある程度コントロールすることが可能なようです。言い方を換えると、この相互作用は交絡因子により良くも悪くも影響を受けるというのが実に興味深いです。
2024/09/05
けんとまん1007
人間にはいろんな面がある。と、言うことに異論を挟む人は少ないと思っている。もちろん、その密度は違うだろう。時、場面、相手、いろんな要素がある。成長という観点もある。そういうところを「分人」という視点で明確にすることで、随分、解りやすくなったと思う。そうすると、もののとらえ方も変わるし、生き方にも変化がでるチャンスが増えると思う。何より、今のこの時代、生きやすくなるのではないだろうかと思う。これくらいの視点の変化を、今の政治家・官僚・経済界の人に求めるのは酷なんだろうな。
2013/10/06
chinayo
頭の良い人が書いた新書らしい本。人間関係に悩む人、と帯に書いてあるのを見ると、ここ最近の傾向で、いつも誰かと繋がっていなければならないという観念に囚われている人達にあてた色んな顔を持っていいんだよ、というメッセージのような気がする。
2017/07/27
KAZOO
むかし、といっても20年前くらいですが、経済学の岩井克人先生が人と人との間に関心があって書かれていた評論を読んで、その後心理学の木村敏先生の著書を何冊か読みました。それに関連した内容でこの本はその心理学的な分析を今の人にもわかる言葉で語ってくれています。非常にわかりやすさがあります。最後に補記ということで「個人の歴史」という小論が参考になりました。
2016/09/11
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