非社交的社交性 大人になるということ (講談社現代新書 2208)
非社交的社交性 大人になるということ (講談社現代新書 2208) / 感想・レビュー
ito
若い人向けの哲学のススメといった内容。前半は中島先生ご自身の話で非社交的社交性を身につけられた経緯がわかる。哲学的キーワードが散見され、知識を得ようとするとまとまりがないようにも感じる。後半は哲学塾の学生たちの事例が中心である。この若者達の奇妙な生態が異常な面白さを醸し出しており、何度も笑わせてもらった。日本社会で彼らは生きにくいはずである。しかし笑っている私自身も世の中を生きにくいと感じており、そういう人々に向けて哲学をすすめているのが本書ではないだろうか。
2013/11/04
ヒデミン@もも
もう可笑しくて苦笑しながら読みました。中島先生の哲学塾の塾生になりたいなぁ。でも、真面目なお弟子さん?達の中で笑いを堪えられなかったら『明日から来なくていい❢』って怒鳴られてしまうのでしょうか? 前半は作者の生い立ちやら半生を哲学を絡めて真面目に構成されているから読みづらかった。後半の塾生で例えた今時の若者論が可笑しかった。と書けば、また中島先生に怒鳴られそうな気がします。
2013/09/08
踊る猫
冷徹で硬質な文章の隅々から「……なんちゃって」という呟きと含み笑いが聞こえてきそうだ。そして、本書を読んで中島義道という人がどうも胡散臭い理由もわかったように思う。この人は(目新しい発見だとも思わないが)道化師なのだ。死を思い、人生の意味を思い、世を憂い若者に怒り「〈対話〉のない社会」に楯突く全ての営みが、あまりにも不器用な哲学的営為のようで、しかし実は(したたかに世渡り上手な生き様からも伺えるように)「なんちゃって」な著者の道化精神に裏打ちされたものであることが伺える。もちろんそれが悪いわけではない、が
2021/02/07
めがねまる
難しそうなタイトルに反して中身はエッセイ的で、読みやすくはあるんだけど何を言っているのかやっぱりわからない……ただ、哲学塾の聴講生募集の書式の話から察するに、この著者はすごく変わり者で面倒臭い人だな、ということはわかった。
2018/08/17
白ねこ師匠
[★★/△]哲学の世界・思想の紹介というより、偏屈を自認する哲学者による、哲学者の世界の紹介。前半は著者の来歴、後半は自身主催の哲学塾の塾生を例に、哲学人間の人となりの紹介。「こんなヘンテコな人間でもアリな、懐の深い哲学の世界へぜひ」と敷居の高くなさをアピールしたかったのかなと思ったが、あんまりだったかも…汗。塾生たちの個性的な思考や行動は驚愕だが、彼らには大なり小なり自閉スペクトラム症があるのでは?と思った。ただし「はじめに」の文章は素晴らしい。若者に向けたこれほど地に足の着いた激励文は記憶にない。
2024/11/09
感想・レビューをもっと見る