オリーブの罠 (講談社現代新書 2288)
オリーブの罠 (講談社現代新書 2288) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
『ユーミンの罪』の姉妹篇とでもいうべきもの。1982年に創刊され、2003年に幕を閉じた「オリーブ」。それは'80年代から'90年代を疾走していった。本書は雑誌「オリーブ」を軸に展開されるAnthropologieである。著者の酒井順子さんは、この雑誌の熱烈な読者であると同時に、ライターでもあった。自分の過去を見つめつつ、そしてまた他紙との比較や差異化を分析しつつ、究極的にはあの頃の時代性を見事に彷彿とさせる好著である。私はもちろん「オリーブ」の読者ではなかったが、今改めて「オリーブ」の路線を支持したい。
2017/12/06
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
雑誌『オリーブ』の創刊からの歴史、酒井さんの分析能力が冴えます。さすが、マーガレット酒井!雑誌を見て、かわいい……と、うっとりとしていたけれど、真似してみようと思ったことは一度もなかったなぁ……。
2017/02/22
Piichan
いまのようなインターネットがなかった時代、名門私立大学の付属高校生徒のカルチャーといった先進的な価値観を日本全国に送り届けてきたオリーブの功績は計り知れないと思いました。インターネットが大衆化したいま、雑誌がなくても日本全国で情報を共有できるようになりましたが、先進的な価値観の提供という点においては編集者という目利きがいる雑誌には劣るような気がします。
2015/11/28
エドワード
ネットのある今とは違い、雑誌が唯一の情報手段だった頃、それこそ発売日が待ち遠しかった。80年代、東京。オリーブ、アンアン、マガジンハウスの雑誌はポパイ少年の私にも十分面白かった。JJは全くダメ。その違いは<男性に媚びない>ポリシーにあった、というのは鋭い指摘だ。でもそれは<罠>ではないよ。「あの頃、私たちは<ここではないどこか>に憧れていた。」という酒井さんの文章に共感する。ひたすら前を向いて生きていけた時代。成熟し、憧れるものが無くなった21世紀の日本に生きる若者は気の毒だ、というのは逆説過ぎるかな。
2015/04/17
りえこ
オリーブ、よく読んでたなぁ。オリーブの罠、とっても面白かったです。知らなかった事に懐かしいと思い出す事で盛り沢山でした。母校が出てきて嬉しかった。
2016/01/21
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