「日本人の神」入門 神道の歴史を読み解く (講談社現代新書 2368)
「日本人の神」入門 神道の歴史を読み解く (講談社現代新書 2368) / 感想・レビュー
ヒデキ
書名の「」が、気になっていたのですが、 大野晋さんの著作へのオマージュでしょうか? 元の本を読んでないので判らないのが、残念です 古代の祭祀についての解説から、新宗教の解説までの流れで すが、日本の今の多神教が、どんな方向へ向かうのかを論じたいように思えました 日本で発生するかもしれない一神教の方向を書こうとしているのか、避けているのか・・・ 神社が、祀っている神は、果たして何なのか 考えてしまいます
2023/10/14
かんやん
日本人は神をいかにも祀ってきたのか。そもそも何が神とされてきたのか。偏在する一神教の神とは違い、日本の神々は場所と結びつけられてきた。皇祖神である天照大神はなぜ都から離れた伊勢に祀られているのか。渡来人の信仰していた八幡神がいかに第二の皇祖神となったのか。出雲大社の古の姿。仏教との習合がもたらしたもの、菅原道真の変容etc……自分の無知も手伝って、一々面白い。毎年春日大社に初詣に行っていて、祭神については全く知らなかった。本地垂迹や廃仏毀釈について、教科書はここまで突っ込んで教えてくれなかったしなあ。
2020/04/30
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仏教や寺社の知識が深まると日本史の理解度は高くなるが、お寺は仏教芸術のお陰で興味は持てるのが、神社に関しては今ひとつ興味が湧きにくい。神仏習合の事は理解していたつもりだが、本書を読み改めて日本人にとって神道も仏教も等しく身近にあったものだと再認識し、寺と神社をセットで考えないと過去の日本人の宗教観を理解出来ないことがわかった。よく勝者が歴史を書き換えるとはよく言うが、今も寺社を訪れると明治政府が天皇を中心とした国づくりの為に、廃仏毀釈によって神道における国民教化を行った形跡が確認出来る事も教えられました。
2016/10/21
funuu
代々の天皇が、持統天皇を除いて、伊勢に行幸しなかったのも、天照大神を怖れてのことだったように思われる。天皇が伊勢に近づけば、よからぬことが起こる。それは仲哀天皇にまつわる物語が警告しているところである。八幡大菩薩が応神天皇と習合し、第二の皇祖神の地位を獲得していたからである。オットーが強調するように、神というものは戦慄すべ強調ものであり、恐ろしい存在なのである。しかし、現代の日本に暮らす私たちには、そうした感覚を持っていない。私たちは、神という存在を、自分たちの願いをかなえてくれる好ましいものとしてとらえ
2016/09/22
やす
現代の神仏と人間や社会との関わり方は歴史的には浅いものであって、そのときの政治状況に大きく依存する。それは時代時代の日本人の精神の現れにも直結している。逆に人間の精神世界の表現が宗教であるともいえる。
2016/10/16
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