KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

げんきな日本論 (講談社現代新書 2391)

げんきな日本論 (講談社現代新書 2391)

げんきな日本論 (講談社現代新書 2391)

作家
橋爪大三郎
大澤真幸
出版社
講談社
発売日
2016-10-19
ISBN
9784062883917
amazonで購入する Kindle版を購入する

げんきな日本論 (講談社現代新書 2391) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

かみぶくろ

われわれが学校で習う歴史の授業とは概ね出来事と年号の暗記のことだが、その出来事の社会的背景や各当事者の当時のエートスやそもそも古来から貫かれる天皇制というシステムの実質など、本書で書かれているようなこと抜きには、全く学びとして機能していないことを改めて認識する。自分の国のことって、案外、いや全然知らない。書ききれないほどに得るものが多かったが、なにより今ここに繋がる「日本人」がどのように生まれ育まれてきたのか知れたことが、日本人としてなにより良かったと思う。

2019/08/04

夜間飛行

アジア東端にあって移動性を保ちつつ定住した祖先だからこそ、普遍思想の仏教と農業由来のカミを共存させたわけだし、外来の漢字から仮名を発明して巧みに使い分けたのだろう。表記法の成立は男女の在り方や社会を変え、婚姻制度の生み出した摂関政治とその反動である院政が「空気」の支配する政治風土を醸成。農と輸送に携わる武士がそうした政治風土を引き継ぐも、空気支配を乗り越えんとする信長は鉄砲による武士の無用化を進める。無用となった武士を抱え込んだ幕藩制の矛盾は、儒学国学を生み開国へと。日本人の精神史をざっと見渡すに良い本。

2018/02/07

書斎六尺

日本の歴史を社会学者の視点で掘り下げると、そこに見えてくるのは現代に繋がる日本人の価値観と行動原理・行動様式であった。本書は先ず橋爪氏が18の疑問を呈し、それを大澤氏と論じ合う形になっている。印象的だったのは、藤原氏が政治の実権を握るが、天皇を倒して藤原王朝を作らなかったは何故か。或は、摂関政治、延いては院政に関して「通い婚」から説き起こす。また信長が築いた安土城の図面から見えてくる信長の圧倒的な個性と本丸に建てた京都御所・清涼殿と同等な間取りから信長が考えていた天皇との関係が浮かび上がる。実に面白い。

2016/11/17

てつ

社会学者が歴史を論ずるとこうなる、という見本のような対談。面白かったけれど、納得できない部分もあり消化不良。

2017/11/14

slider129

過去に「ふしぎなキリスト教」や「ゆかいな仏教」でタッグを組んだ社会学者二人による日本の歩みについての対談本。途中哲学や社会学的な内容になると難しく感じたが、対談形式なので概ね理解しやすく、楽しんで読み通すことができました。また、歴史学者でないお二人だけに、「そんな見方もあるのか」と思う見解も多かった。例えば、不平等条約を結ばされたと学んで来た日米修好通商条約を米国と結んだことによって、日本が主権国家として世界に認められ、英仏露独諸国が日本に簡単に手を出せなくなった等は唸らされました。

2018/08/31

感想・レビューをもっと見る