インド酔夢行 (講談社文芸文庫 たO 4)
インド酔夢行 (講談社文芸文庫 たO 4) / 感想・レビュー
ジュール リブレ
読メの読みたい本の棚卸し中。いつだったか登録した一冊。旅に行けないけど、なんか行きたい気分の時に、インドの紀行文は最高(^O^)/ 少し昔の旅話ですが、そうは言っても、やはりインド。あのスパイシーな匂いは同じように感じる。映像では再現できない、あの酷暑と匂いが、本を読んでると蘇ってくるのが不思議なものだ。インドのウイスキーもワインも、名前だけの危ない酒だったが、さて、今はどうだろうか。
2016/04/10
三柴ゆよし
紙パンツを履いたじじい、インドへ行く。同行者はインド狂の黒狐と青き三十歳童貞。「酔夢行」とあるとおり、旅の基本は酩酊である。よく飲み、且つ食う。マラリヤと象皮病の恐怖におびえたりもする。とはいえ酔うてはいても(いるからこそ?)、田村隆一の生きた感性は、インド的な混沌のありさまを、身体レベルでとらえている(特に匂いの描写が圧倒的)。千鳥足めいた旅路を彩るのは、詩人による過剰なまでの言語の氾濫。言葉がドライヴする。これは素晴らしい旅行記。よって本書を酩酊文学の教科書に指定します。異論は認めます。あしからず。
2011/11/14
めぐ
70年代前半のインドっていうとあほなヒッピー兄ちゃんがあふれていたんじゃないかと思ってしまうのですが、むしろ「汚されていない」インドを50代の田村隆一さんと子分?が行く、とても美しい旅行記です。まだインドが「不思議の国」だったころの情景が詩人の目を通して描かれます。インドの様々な街を歩くのですが、詩と散文の間も行ったり来たりします。この非常に身体的な感覚が心地よくて、生きて、旅することがとても感動的に思えます。巻末の田村さんのポートレートがかっこよすぎます、惚れます。
2018/01/31
yamahiko
日本のタゴールによる軽妙洒脱な紀行文。インドに憧れていた昔の自分を思い出させてくれました。
2017/08/16
kyoh
詩人・田村隆一の1973〜75年のインド紀行文。当然、表現が詩的・観念的な箇所が多い。宗教建築の描写もよく出てくるけれど、見聞のない私にはビジュアルが浮かばず、読み進めるのが結構辛かった。
2011/01/10
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