遠景・雀・復活 色川武大短篇集 (講談社文芸文庫 いN 3)
遠景・雀・復活 色川武大短篇集 (講談社文芸文庫 いN 3) / 感想・レビュー
松風
私自身の劣等感を、「這い上がれない」感覚と、しがみつく思いを、なぜ、こんなにも的確に言葉にしてくれるのか。
2015/08/23
刳森伸一
生きるのが下手な人間の肖像という感じの短編小説を9篇収録。切なすぎて、作中人物に対してなぜそんな生き方しかできないのかと聞いてみたくなるような作品が多い。特に『陽は西へ』と『虫喰仙次』がいい。
2014/06/20
fumi
雀の戸籍。そのフレーズに痺れました。私も50時間くらい寝なかったらこんな文章が書けるだろうか。 彼は虚実のあわいを体験的に書くのではなく、体験して書くのだ。
2008/11/10
バーベナ
博打うちから会社のナンバー2にまで成り上がる「虫喰仙次」。でもその末路は・・。色川さんには、最期まで見届ける(見届けてしまう)視線がある。そこが怖いけれど、凄いなと思う。「九段の杜」も同じく。昔の懐かしみを、ずるずるとひきずって生きるのは、並大抵なことではできない。気が狂いそう。
2014/04/23
eleking
「虫喰仙次」は結局初読だっけか。中小規模の会社勤め人は読んで身につまされる部分も多い。これもまた〈しのぎ〉が描かれている一編であろう。「復活」の現実と地続きの幻想も作者らしい味。
2013/06/08
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