暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫 のB 3)
暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫 のB 3) / 感想・レビュー
❁Lei❁
表題作二篇のみ読了。社会主義運動に片足突っ込んでいた青春を描いた「暗い絵」。戦争で夫を亡くした未亡人への複雑な恋心を描いた「顔の中の赤い月」。戦後派の作品は暗い気持ちになるので好きになれないけれど、戦争というものが人に与えた苦しみを擬似体験できるので、やっぱり文学史的意義はあるよなあと思います。特に「顔〜」の主人公が、戦地に行ってようやく恋人からの愛情の尊さを知るシーンは、心にぐさっときました。死と隣り合わせになってからわかる日常のありがたさに、私も想いを馳せるなどしましたが、これで読み方あってるのかな。
2024/07/12
ネムル
戦中・戦後のマルクス主義に傾倒した亜インテリな鼻持ちならなさが好きになれない。とりあえず、戦後の虚無主義に陥った精神史として読む。「顔の中の赤い月」は映画的でちょっと面白い。
2018/07/27
Kazuo Tojo
戦争前後の男たちの出来事。暗く、常に死がつきまとう物語の短編の五作品。もしかして男とは、こういう人生を負わなければいけないのかとも思ってしまう。今の自分には時々、こういう作品を読まなければと思ってしまう。
2018/12/23
ダージリン
野間宏は初めて読んだが、なかなか読むのに体力を要する作品だった。ただ、こういう重さのある文体は嫌いではない。ここに収められているのは作家として初期の作品であり、何となく肩肘張ったようなところも感じられるのだが、多少若書きというところがあるのだろうか。後期の作品と読み比べてみたい気がした。
2018/03/04
Mark.jr
作者もそこに書かれている日本の時代も若い...。
2024/04/19
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