震える舌 (講談社文芸文庫 みE 3)
震える舌 (講談社文芸文庫 みE 3) / 感想・レビュー
pino
小学生の頃、運動場で古釘を踏み抜き、すぐに病院で破傷風の注射をうった。と話している子がいた。土の中には怖いバイ菌がいるのだと。「破傷風?」どんなバイ菌か知らないが裸足で歩くのは危なさそうだと思った。その後、映画化された「震える舌」を観て、罹患した少女が、歯を食いしばり、唸り声をあげ、体を反らす姿に衝撃を受けた。原作は、少女を看病する両親の心境にも焦点が当てられていて新鮮だ。看病した経験のある人なら、焦燥感、徒労感などリアルに感じると思う。我が身も破傷風の毒に冒されるという恐怖に苛まれる親の心理描写が見事。
2013/03/13
hushi亜子
Twitterでどなたかが話題にしていたこの作品。Amazonprimeで観れるという。先に原作を読んでみようと。1970年に起きた、この作者の娘さんに起きた破傷風、あえて事件。それを1974年に出版。今でこそ破傷風は予防注射すれば防げるものだし、あまり馴染みも無い病気となっているが。逆にこの時代の人にとっては破傷風とはどういう病気で症状でという認識があったからこその行動だと思う。鬱映画、恐怖映画、トラウマ映画と言われているよう。さて覚悟して映画を観ますか。
2019/12/02
harass
図書館本。題名と薄さで借りて読む。八〇年に映画化されていて、映画は見てないままだがTVCMで強く記憶に残っていた。ホラー映画やんけと。破傷風に苦しむ一人娘と夫婦の話だ。著者自身の体験を元にしているそうだ。神経症的な文体で日常を破壊する病魔との日々が描かれていて息苦しい。ムージルの短編を読んでいるような印象。この文体だと映像にするのはやはりホラー風にするのが無難なのかとも。
2016/09/02
GaGa
昔映画で見たはずだが、思い出せず、小説を手に取ってみた。破傷風という病気のなんと恐ろしきことか。現代ではめったにかかる病ではないので、正直驚いた。両親の心理描写は上手。いい本を読んだ。
2013/02/07
空猫
[トラウマになる]作品と言われているが、そんなこともなかった。なにせ昭和50年頃の作品で古臭さの方が目立ったので。映画はネットで何となく観たが画面が暗いので観づらかった。目に見えない恐怖、病気によって変貌し、衰弱するわが子を見守るしかないもどかしさは痛いほど伝わってきた。親の無知な思い込み、投げやりな医者の誤診は確かに恐い…。
2017/04/13
感想・レビューをもっと見る