小林秀雄全文芸時評集 上 (講談社文芸文庫 こB 3)
小林秀雄全文芸時評集 上 (講談社文芸文庫 こB 3) / 感想・レビュー
さとちゃん
小林秀雄氏のお名前は知っているものの、読んだことはなかった(という作家さんが、私には多すぎる気がしている)。古書店で出会い、良い機会だからと読んでみたが、私の力量では「読むだけで精一杯」。紡ぎ出される理論と言葉は、読んでいる最中はわかるような気がしていたのに、読み終わってみると「私、本当にわかったの?」と心配に。印象的だった言葉は「一体読み易い名文などは意味をなさぬ言葉である。名文に難解は附きものだ。」そうなんですね。難しく感じるのは私だけではないのだと、何となく安心。
2024/03/06
かがみん
初小林秀雄。文章が軽妙で面白い。時代的に批評している作品は知らないものばかりで、それらに関する部分は読み飛ばし。横光利一『機械』は事前に読んでいたので、その点の批評は興味深く読めた。
2013/01/21
刻青
中原中也にハマったとき、泰子を奪ったのはお前かぁ!ってな感じでついでに読み始めたのですが‥ いやいや、こっちにもすっかりハマってしまいました。話すことはいろいろですが、とにかく小林さんがそれに自分の知と感覚の全てでぶつかってる、ということがわかります。そこからまた美しい文章の生まれること!知識よりもそれを見る眼、魂のほうが大切というのがよくわかりますねー。自分の魂に合うか合わないか。それはなぜなのか。作品に、自分の魂に何があって何がないのか。繰り返すと自分自身が見えてくる。かな? 小林さん、合ってますか?
2021/06/06
YY
書いてあることは案外シンプルで、作品から人(?)を見る、という観点と、その作品に自分の真摯な関心があらわれているか、技術的にそれができているか、というあたりを軸にした分析のように思えた。そんで、文学をやるにもそういう諸点を明らかにするために理論というか文学そのものへの疑いが必要だけれど、そういう苦労をしましょうと。
2014/12/25
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