大阪文学名作選 (講談社文芸文庫 とA 9)
大阪文学名作選 (講談社文芸文庫 とA 9) / 感想・レビュー
Shoji
大阪に由縁のある作家のオムニバスです。11の作品が収録されていますが、なかなか渋めのチョイスです。少々難解なものが多く、読み進めるのに時間がかかりました。オダサクの『木の都』、山崎豊子の『船場狂い』は再読でしたので、すんなりと読み進めることができました。一方、折口信夫の『身毒丸』も再読ですが、やはり難解で悪戦しました。こんなのスラスラ読める奴いるんだろうか。そんなことさえ思った。お疲れ様でした。
2022/05/31
A.T
【富岡さんの追悼読書4】再読。大阪文学、というくくり方があるんだね。この本を読んで大阪への興味が深まり、今ではそのために大阪へ旅行もするようになった記念碑的なアンソロジー。オダサクは「木の都」。情景と心情の描写が途切れなく描かれる口縄坂を登るシーンが好き。夕陽に染まってゆく大阪の港が視界に開けると同時に懐かしさが迫ってくる。野坂昭如「浣腸とマリア」、これはどうなの?大阪の人は笑って済ませてるのかなぁ。(続く)
2023/04/27
浅香山三郎
富岡多惠子さんのセレクションといふのも気になつて、本書を手にとつた。文庫の後ろの概要には、「大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く」とある。全くそのとおりで、折口信夫「身毒丸」、野坂昭如「浣腸とマリア」、山崎豊子「船場狂い」といふそれぞれ妖しい個性を放つ作品に加え、阪田寛夫・河野多惠子・織田作之助・宇野浩二・武田麟太郎・庄野潤三、それに小野十三郎といつたモダンな作家たちの作品に大阪文学の味はいを看取してゐるのも佳い。
2020/10/25
マツユキ
大阪と日本文学というのに惹かれ、手に取りました。どちらにも詳しくありませんが、土地と時代を感じ、読みごたえがありました。インパクトがあったのは、野坂昭如『浣腸とマリア』、山崎豊子『船場狂い』。じっくり読めたのは、河野多恵子『みち潮』、庄野潤三『相客』。阪田寛夫『わが町』(抄)、織田作之助『木の都』は回想。住んでいる場所から、舞台が一番近いのは、川端康成の『十六歳の日記』で、隣の市です。折口信夫『身毒丸』、武田麟太郎『井原西鶴』は、今度は別方面から知りたい。
2020/01/30
とまと
野坂昭如「浣腸とマリア」、折口信夫「身毒丸」を再読。
2013/11/03
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