大東京繁昌記 下町篇 (講談社文芸文庫 こJ 28)
大東京繁昌記 下町篇 (講談社文芸文庫 こJ 28) / 感想・レビュー
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
芥川龍之介、泉鏡花、北原白秋、吉井勇、久保田万太郎、田山花袋、岸田劉生による関東大震災後の町を歩いたレポート。本所両国、深川、浅草、日本橋など江戸時代に栄えた下町篇。下町の人たちは江戸っ子としてのプライドが高かったのか山の手に住む田舎者に対して思うところがあるようだ。どの人も変わってしまった町並みを懐かしむ口ぶりです。
2015/07/19
つんこ
関東大震災から4年の東京日日新聞の連載。芥川龍之介、泉鏡花、北原白秋、吉井勇、久保田万太郎、田山花袋、岸田劉生がそれぞれの東京を描く。記録しておきたい震災前の町の様子が非常に個人的な視点で書かれている。「お竹倉」とか「大川」など昔の言い回しがでてくる。当時の薫りのする言葉の数々。その時代の概要をもう少し勉強して、またこれに立ち返ると楽しみ倍増しそう。芥川龍之介の駒形をめぐる文章は尾を引いた。「文章もおのずから匂を失ってしまうことは大川の水に変わらない。」挿し絵も豪華。
2019/04/17
いなお
『銀座と資生堂』を楽しんで読んだ人はこの本も楽しいと思う。芥川、白秋、鏡花は文章が綺麗だ
2015/09/14
梅薫庵
先に読んだ「山手篇」に引き続き、「下町篇」。芥川龍之介、泉鏡花、北原白秋、吉井勇、久保田万太郎、岸田劉生、と執筆陣は豪華。ただし、鏡花、白秋、万太郎の筆は、各々の小説を読んでいるようで、新聞連載のルポルタージュという点では、その世界が苦手だとちょっと入りにくい。よかったのは芥川龍之介、吉井勇、岸田劉生。特に、龍之介が描いた「本所両国」は、舞台もさるごとながら、まるで落語の世界を擬似体験しているようだ。
2013/08/02
Gen Kato
関東大震災後に新聞の企画として書かれたエッセイ。 本所両国(芥川龍之介、画・小穴隆一)、深川(泉鏡花、画・鏑木清方)、大川風景(北原白秋、画・山本鼎)、大川端(吉井勇、画・木村荘八)、雷門(久保田万太郎、画・小村雪岱)、日本橋(田山花袋、画・堀進二)、銀座(岸田劉生、画も)……と、挿絵まで超豪華で、頁を繰るのが幸福です。
2013/07/07
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