犬をえらばば (講談社文芸文庫 やA 10)
犬をえらばば (講談社文芸文庫 やA 10) / 感想・レビュー
*mayu*
作家安岡章太郎が坂口安吾、吉行淳之介、近藤啓太郎などと過ごした日々を自身の愛犬を通して描くエッセイ。たまたま古本屋にて手に取った本書。家で読むとそうでもないけれど外で読むとスイスイとページが進む不思議な1冊でした(笑)歴史に名を刻む作家たちと安岡さんの遅咲きの青春の模様が犬を通じて面白おかしく描かれていて、エッセイというより一風変わった作家論でもありました。安岡さんの愛犬コンタと近藤啓太郎氏がとても良い味を醸し出しております。
2015/10/23
いちⅡ
兎に角仲良しだという事が分かりました。失われた青春を取り戻そうというのか?とあとがきにもありますが、同じ苦難を経験した者同士の繋がりは深いし、知古の人間関係の安心は必要なのかも。おじさんのほんわか世間話を聞いたあとのような。なんだか、戦争経験者とは思えないほど呑気と陽気さを安岡氏からいつも感じます。物理的経験はからっとしたこだわりのない陽気さが備わるものなのか。昔はこういった人々の多かったこと。憎むべき人の少ない世(F3)
2018/06/15
きゃん
狐狸庵のダメニシ庵犬は声を出して笑う。外で読むのは難しい。
2014/09/16
はちくま
以前から安岡さんとコンタの話は知っていて、安岡さんは気のいいおじさんというイメージだったせいか、久しぶりに会う親戚のおじさんからのんびり話を聞いたような読後感。犬を通して人をシビアかつ温かく描いている。第三の新人の方たちの小説もちゃんと読もう。
2013/06/17
ももママパパパ
「第三の新人」の交友録。 近藤啓太郎からすすめられ、紀州犬の「コンタ」を飼い始めた筆者が鋭い観察眼と好奇心で愛犬と飼主の人となりを綴る。近藤淳、丹羽文雄、石坂洋次郎、坂口安吾、遠藤周作、吉行淳之介とMさん、志賀直哉、五味康祐、、沢山の作家が出てきて面白い。
2020/08/23
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