大東京繁昌記 山手篇 (講談社文芸文庫 こJ 29)
大東京繁昌記 山手篇 (講談社文芸文庫 こJ 29) / 感想・レビュー
YukoNexus6
コロナなご時世に、のんびり楽しく読めた本。といっても関東大震災後の復興東京を当時の文士の想い出、感興で綴ったもので読み応えがある。藤村、虚子、徳田秋声、小山内薫などなど。東京山の手に暮らすようになったので神楽坂早稲田や神保町あたりの紹介は一層面白い。飯倉、麻布など親しくない土地も、これを手本に経巡ってみたい。最終章、目黒辺のレポートは奇妙な小説仕立てだったりして、TVの街ブラ番組も、これくらい振り切れてくれると嬉しいのだけど。
2020/04/26
pppp504
面白い。旧丸ビルに一度行っておけばよかった。
2013/07/17
梅薫庵
東京の文化といえば、直ぐに思い出されるのは、江戸文化、浅草、上野、そして所謂「谷根千」に代表される下町だろう。確かにそれはそうだが、実は明治以降、それらが失われる過程で見られた「滅びの美学」ともいうべき、都市が、そしてそこに住む人々が、変わっていく姿に、何かしらの哀愁感のようなものにも、あるのかもしれない。
2013/07/04
kissing_gourami
途中の感想/街レポも著者によって個性が出る。地図通り歩いた藤村(電柱が歩道を「虐待」している(笑))、生活の一こまを切り取る虚子(蝶のくだりはさすが俳人)、小説にしちゃった上司小剣(目黒駅は大崎にある)・・・こういう、“記憶の中にしかない街”を描いた小説・随筆が好き。本の中の街と現在の街をつなぐ接点、名前の付いた通りや建物、地名を実際にたどりながら読むと2倍楽しい。
2019/09/28
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