KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

追悼の文学史 (講談社文芸文庫 こJ 27)

追悼の文学史 (講談社文芸文庫 こJ 27)

追悼の文学史 (講談社文芸文庫 こJ 27)

作家
講談社文芸文庫
井上靖
松本清張
吉行淳之介
江口渙
丸岡 明
奥野信太郎
亀井勝一郎
長谷川 幸雄
富沢有為男
丹阿弥 谷津子
山本健吉
室生 朝子
檀一雄
柴田錬三郎
中谷孝雄
高田 博厚
石坂 洋次郎
田村 泰次郎
新田 潤
出版社
講談社
発売日
2013-05-11
ISBN
9784062901963
amazonで購入する

追悼の文学史 (講談社文芸文庫 こJ 27) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ケイ

高名な作家が亡くなった折に、他の作家が寄せた追悼文。年代順に編まれており、最初の御三方、佐藤春夫、高見順、広津和郎氏については作品を読んでいないが、追悼文からみえるその方の人生やお人柄が感慨深い。佐藤春夫氏への吉行淳之介の「半達人のまま帰るのか、と言われた一言」、檀一雄の「列車へのバカヤロ~」に、愛と追悼の念、そして書き手本人の技量を感じた。後半の三島由紀夫、志賀直哉、川端康成氏の3人は、その人生も著作をよく知っている。その上で読むと平静ではいられなくなる追悼文もある。阿川氏の三島への文が丁寧であった。

2018/11/11

yumiko

佐藤春夫、高見順、広津和郎、三島由紀夫、志賀直哉、川端康成、六名の文士を送る総勢四十三名による哀悼の辞。追悼文ということもあり、そこには自ずと作家たちの交流が透けて見え、懐かしく語られるエピソードからは、故人への親愛の情が滲み出る。まるで三島由紀夫論とでもいうような河野多惠子の追悼文が印象的。「氏は自然の依らしめた男性なる性は一旦返上し、男女両性を比較、分析した揚句、女性でないほうの性を更めて択んだように感じられる」哀悼の言葉を寄せている作家たちも、数人を残して鬼籍に入られていることに時代の流れを感じる。

2017/04/17

六人の作家に捧げる追悼文集。なかでも、広津への追悼文に興味を持ち本書に手を伸ばす。同氏への追悼(文)は、網野菊、尾崎一雄、丹羽文雄、伊藤整、中野重治、佐多稲子、松本清張、広津桃子ら八人。既読の話などもあるなか、やはり広津の人柄(性格)が垣間見えなかなか面白い。広津の評論や回想記は良いが小説は駄目という人も少なからずいるだろうが、久しぶりに「同時代の作家たち」や「年月のあしおと」を読みたくなった。そのほか、三島(瀬戸内晴美、森茉莉)、川端(中村真一郎)の追想(追悼)文も面白い。

2018/09/12

ぼのまり

「群像」に掲載された佐藤春夫、高見順、広瀬和郎、三島由紀夫、志賀直哉、川端康成の死への追悼文集。執筆者に著名人が多いこともあり秀逸な文章が目立つ。人の死と向かい合った時、自身がどんな文章を書くのだろう。自らの死に対して、人はどんな文章を書くのだろう。そんなことをふと考えてみた。

2013/09/10

きじねこ

佐藤春夫、高見順、広津和郎、三島由紀夫、志賀直哉、川端康成、への雑誌『群像』に掲載された追悼を集めた本。 雑誌掲載ということが大きいと思うのだけれど、急に言われて慌てて書いたんだろうな…と思わせるとっ散らかった感の強い文章が多いのが面白い。急いで文章を着地させる(終わらせる)のは、プロにとっても難しいらしい。 自死した三島と川端の、特に三島の項の他にはない緊迫感も、その時の雰囲気を伺えるようで興味深い。あの死に方をされたら「好い人でしたのに~」とはいかないもんなぁ。

2020/05/24

感想・レビューをもっと見る