KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

旅の話・犬の夢 (講談社文芸文庫 えB 7)

旅の話・犬の夢 (講談社文芸文庫 えB 7)

旅の話・犬の夢 (講談社文芸文庫 えB 7)

作家
江藤淳
出版社
講談社
発売日
2014-12-11
ISBN
9784062902526
amazonで購入する Kindle版を購入する

旅の話・犬の夢 (講談社文芸文庫 えB 7) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ミスター

鼻持ちならないがこの鼻持ちならなさこそ江藤淳が江藤淳たる所以である。江藤淳は悲劇に甘えることをもっとも拒否していて、このことをよく表しているのは太宰治評である。江藤は太宰治に一定の共感を覚えながら、違和感を表明している。江藤は「敗戦後」の「ホロビ」を満喫することができなかった。なぜなら「ホロビ」を許すことのできない屈辱を覚えたからだ。ここで言われている屈辱は明らかに他人にとってはどうでもいいものかもしれない。しかし他人にとってはどうでもいい私情にそれを超えた大きなものを見出すことこそ文学なのではあるまいか

2020/08/14

nakagawa

江藤淳氏の本を読んだのはこれで2冊目。以前はGHQの検閲などを書いた本であったがこの本は随筆集。ヨーロッパやニューヨーク、ウィーン、ロンドンなどの旅の話と愛犬ダーキイと東京で思索をかねて執筆したものである。少し難しいかと思ったがそのようなことはなく簡潔な文章でとても読みやすい。彼は戦後の高度経済成長、いや1945年の敗戦以降の日本の社会の行き着いた近代の荒廃に気づいていたのではないだろか。学生運動の連中が日本人の子供が怯えていたという所はとても印象に残ったところである。

2017/08/01

hirayama46

はじめての江藤淳。主に60年代後半に書かれた、タイトル通りの旅と夢の話以外にも、身辺の暮らしの話や、万博などの文化にも触れたエッセイ集。時代性もあって、いま読むとやや偏狭にも感じられるところもありますが、当時から頑固な人だとは思われていそうではあります。森鴎外の書に対する悪口とか、ちょっと言い過ぎじゃないかな……と思いました。戦後と現在の右左派の有り様の違いというは考えていきたいところではあります。

2021/08/02

ユウキ

2025年の大阪万博はいろいろと話題になっているが、'70年の万博においても江藤淳はその拝金主義的な嫌らしさを白い目で見ていて、丹下健三や岡本太郎に皮肉をぶちまけてるのが面白い。

2024/01/08

感想・レビューをもっと見る