群像短篇名作選 1970~1999 (講談社文芸文庫 くK 2)
群像短篇名作選 1970~1999 (講談社文芸文庫 くK 2) / 感想・レビュー
サンタマリア
読み友さんにオススメしてもらった三浦哲郎さんや個人的に気になっていた稲葉真弓さん、他にも気になる作家さんが集結していたので、大枚をはたいて手に入れた。自分とは合わない作品もあったけどすごく面白かった。特に良かったものを簡単ではあるが感想に。『拳銃』腑に落ちたような力が抜けたような読後であったが、不思議と生きる気持ちが湧いてきた。『メロンと鳩』一番よかった。登場人物の想いがメロンと鳩を通して強く伝わった。『空罐』アァ悲しいだけ。『樹影譚』文のよさと物語のよさがどちらも完璧。『七千日』ひび割れた心への潤い。
2021/09/04
踊る猫
いずれも優れた作品ばかりだが、今の精神状態で読むと保坂和志「生きる歓び」が沁みた。素朴に生きることを肯定している、そのポジティヴなメッセージを支持したいと思ったのだ。他の作品も面白いが、笙野頼子「使い魔の日記」の奇想にやられた。『群像』はなかなか優れた作品を生み出している前衛的な文芸誌なのだなと思わされ、これは是非フォローしていきたいと思った次第。あとは藤枝静男「悲しいだけ」も面白い。藤枝静男に関しては『空気頭』程度しか読めていないので、これを機にチェックしてみたいところ。大江健三郎もまた面白い。凄い本だ
2019/07/16
メタボン
☆☆☆☆ 名編揃い。持っているだけでざわざわする「拳銃・三浦哲郎」死刑受刑者との交流「メロンと鳩・吉村昭」時間を音読する時計のことを皮切りに独特な小説世界へ「ピラミッド・トーク・後藤明生」樹影に関する記憶「樹影譚・丸谷才一」亡き子をめぐる幻想「ジャッカドフニ-夏の家・津島祐子」幻想的な官能短篇「唇から蝶・山田詠美」相当シュールな「使い魔の日記・笙野頼子」子猫を拾うことから人生へ敷衍する「生きる歓び・保坂和志」。圧倒的な文体の力を感じる「無垢の歌、経験の歌・大江健三郎」が一番好き。
2019/01/07
くさてる
これまたすぐれた純文学の短篇アンソロジー。ピンとこない作品でも、それは単に自分の感性と合わなかっただけで、作品の質の問題でないと分かります。圧倒的一位は、色川武大「路上」どんなことをすればこんな言葉が紡げるようになるのか。夢なのか幻想なのか。とても美しくてはかないのに、地獄のように怖い。最高です。
2020/04/15
圓子
ひっさびさに読了 大庭みな子と稲葉真弓がよかった 昔は好きだった山田詠美にのこの作品 いまはちょっとちがって感じる 多和田葉子みたいな文章が書けたらいいのに
2019/03/01
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