ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫 2131)
ヒトはなぜ眠るのか (講談社学術文庫 2131) / 感想・レビュー
紫羊
元本の刊行は1994年と少々古いが、十分読み応えがあった。文章が抜群に読みやすいのも良かった。宵っ張りで3時までに寝れば良いや、という生活を続けているので、睡眠不足と健康というテーマにはずっと興味があった。これからは睡眠についての常識みたいなものに囚われすぎないこと。ただし動物の心身にとって究極のリカバリーシステムであることを意識して生活したい。
2023/10/30
isao_key
本書は1994年に刊行され2012年に文庫化されたので、まえがきで著者が述べているように、扱われている研究内容やデータは今では古くなっているが、考え方の展開や研究の手段はいまでも健在で、初期の幼稚なレベルであるがゆえに、眠りの本質そのものが巨視的に、わかりやすく概観できるだろうと述べているが、読了してその通りだと思った。各章のタイトルだけ見ても読む気にさせる。眠りとはなにか、眠りは人ごとに違うのか、どうして眠くなるのか、眠っているあいだになにが起こるのか、眠りはコントロールできるのか、と非常に興味深い。
2017/08/20
jjm
一日の約1/3を費やす睡眠。よく考えると不思議。寝ている時間に何もしないのはもったいないので睡眠学習ってできないのかな、朝目が覚めて、今日も死んでなくてよかったと思うことが一度はあるのではないだろうか。「睡眠は脳が脳自体を休めるために開発した高度な生存戦略」「睡眠をとらないと人間は必ず死ぬ」「眠るときに感じる快感は、睡眠という命がけ(無防備、栄養補給断)の行為に対する原始的な報酬」なぜ睡眠が存在するかはわからない。ネットで調べると死への準備とも。神のみぞ知る。
2021/04/21
ぼのまり
眠りのメカニズムについて平易に解説した1冊。20年ほど前に出版されたものを追補、修正し、文庫化したもののようである。ベースとなる睡眠は3~4時間ぐらいだが、隙間でちょっとずつ眠るのが常態化していたけれど、理由があったのですね。あとがきで記載されているダ・ヴィンチの言葉は常人ならざる彼の姿が浮き彫りになります。仮に同じ志を持ったとて、睡魔には勝てそうもないな。
2013/08/13
ma2373
人生の1/3から1/4 を注ぐ睡眠という活動について学術的な知見をベースに書かれている入門書。どのようにすればよい睡眠をとれるのかということだけではなく、そもそも睡眠とは何か、そして、動物とヒトの睡眠の違い、季節や環境が睡眠に及ぼす影響などについても論じられている。身近でありながらも軽視しがちな睡眠を今一度考えるための良書。
2014/08/18
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