儀礼としての消費 財と消費の経済人類学 (講談社学術文庫 2145)
儀礼としての消費 財と消費の経済人類学 (講談社学術文庫 2145) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
メアリーダグラスの代表的な著作の飜訳です。 消費行動の原理を人類学と経済学を結ぶことによって知見を見出そうとする努力をされています。 飜訳者の浅田彰、佐和隆光の両氏は、京都経済学では著名な方です。 本書で、この2人が師弟であることを知りました。 2人とも、日本を代表する論客でした。
2019/08/07
roughfractus02
本書はgoods(市場の流れを含む商品)とcommodity(市場内の商品)という区別を設け、経済学的な後者から人類学的な前者に移行する。その際、人はなぜ商品を買うのか?という問いから人はなぜ消費するのか?という問いに移っていく。こうして市場から社会(未開社会であれ先進国の都市社会であれ)へと移った消費の対象は物理的な商品から財へと移り、消費自身も慣習さらに儀礼として定義され直される。本書は消費を儀礼と捉えつつ、貨幣世界も含めた人類の象徴的な社会行為(社交)として、生きた情報システムの流れの中に見出す。
2024/04/05
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