〈弱さ〉のちから ホスピタブルな光景 (講談社学術文庫 2267)
〈弱さ〉のちから ホスピタブルな光景 (講談社学術文庫 2267) / 感想・レビュー
Die-Go
図書館本。著者が各界の人を「ケア」する立場にある方にインタビューを取ったもの。その立場は様々で、その一人一人には深い洞察力と人に相対する愛情が垣間見られる。読んで良かった★★★★☆
2020/06/16
ATS
★★★ところどころ抽象的表現過ぎて何が言いたいのかわからないところもあったけれど、全体としては面白く読めました。要は深い繋がりこそが大切なのかなと。ハーバード大学の長年の研究によれば周囲との質の高い繋がりは幸福に大きく関与していることがわかっている。繋がりを大切にせよですね。『じぶんに固有なものがなにもないから寂しいのではない。まわりにだれもいないから寂しくなるのでもない。じぶんがここにいることが他のだれかにとって意味があると感じられないことが、寂しいのだ』P231
2017/12/18
naji
ケアとは、ただ単に“支える”という視点だけでなく、“力”をもらうという視点もあるなぁと感じた。他者のなかに、自分が何らかの“形”で意味のある存在、居場所として占められる・感じられることが出来れば、それこそが生きる力を与えることに繋がると思える一冊でした!
2016/03/08
coldsurgeon
現代社会の仕組みが弱さとして強いてきたものであり、人としてある限り誰もがどうしようもなく抱え込まなければならない弱さがある。弱いものが弱いものをすぐそばで支える場面、ケアに当たる人がケアを必要としている人に、逆に時により深くケアされ返す反転が、ホスピタブルな光景にみられる。ケアの日常に、「使命」という言葉を加えると疲弊してしまうので、「感情労働」としてみるときの、後ろめたさに対する心の持ちようを示してくれる。
2016/07/16
たか
様々な(ふつうそうは思われない場所も含めた)ケアの現場を訪ね、感じたことをことばにしていく。鷲田先生もそれぞれの現場の人も、とてもやさしい言葉なのに鋭くもある。ケアするものがケアされる。綺麗事では終わらない抜き差しならぬ現場に「まみれ」て、それでも立ち去らなかったひとへの「めいわくかけて、ありがとう」。"ひとが「死ぬとわかっていても死なないでいる」のは、だれもが一度、なんの条件もつけずにこの子がここにいるという、ただそれだけの理由で《存在の世話》を受けた経験があるからだろう"この言葉に救われる。
2022/09/02
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