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東北学/もうひとつの東北 (講談社学術文庫 2268)

東北学/もうひとつの東北 (講談社学術文庫 2268)

東北学/もうひとつの東北 (講談社学術文庫 2268)

作家
赤坂憲雄
出版社
講談社
発売日
2014-11-11
ISBN
9784062922685
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東北学/もうひとつの東北 (講談社学術文庫 2268) / 感想・レビュー

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うえ

本書も著者の問題意識の発展が著しい作品。「後期の柳田にとりわけ、稲作一元論的な志向が色濃く見いだされることは否定できない…柳田をいかに批判的に継承してゆくのかというモチーフに絡んで…稲作文化を相対化するために…畑作文化の掘り起こしと復権を企てることが…その方法として選ばれてきた」「餅なし正月の習俗を手掛かりとして、坪井(洋文)は稲を選ばなかった日本人が広く存在したことを浮き彫りにした…しかし、近年、大林太良によってたいへん重要な批判が提起されている…それは…水稲耕作文化の一部としてすでにあったものだ、と」

2017/11/18

おせきはん

稲作を中心に日本の文化を見ると、寒冷な気候やブナ林の恵みなどの影響により狩猟・採集の文化が根づいていた東北は辺境ということになるのでしょうが、山間部ならではの生活文化に日本の多様性を垣間見ることができました。

2017/05/06

Jムーン

著者は、柳田国男が東北の歴史のなかに、“中世のなつかしい移民史”だけを見たのに対し、「古代蝦夷(エミシ)の末裔たちはどこへ消えたのか。東北のいまを生きる人々は、そのすべてが中世の南からの移住者の子孫であるというのか・・・」と問う。そして東北の今に縄文から続くものを探そうとしている。本書は2014年刊行だが、納められた文章は1993〜1998年のもの。さらにその後を読んでみよう。

2019/01/19

amishima

ここ数年続けている東北旅行のヒントになればと思い、『忘れられた東北』『もうひとつの東北』を続けて読みました。自らへの叱咤激励、決意表明に満ちた感傷的な文章が独特でしたが、筆者ですら答えを見つけあぐねる「東北学」の多面性に、かえって旅情をそがれてしまいました。自分は、筆者が執拗に批判を繰り返した柳田国男や松尾芭蕉と同じような「辺境ロマンを求めるだけの都びと」でしかないのかも知れませんが、下北半島で、背の高い雑草が生え広がるだけの荒野をはじめてみた時の違和感の理由が、本書を読んで分かったような気がしています。

2017/05/13

Nunokawa Takaki

民俗学の本は読んでいて楽しい。なぜなら自分の地元は田舎で自然が多く、どんな場所にいてもその本を読めば地元が思い出されるからだ。新潟が地元だがかなり北で山形に近い。この本では、東北の文化について語っている中で新潟の北の地域も紹介しており、うちの地元も同じような文化で歩んできたんだと認識した。都市が最先端で地方は遅れていると思われがちな風潮を打開してくれたのは小気味よい。日本の歴史上、都市というのは地方から生まれたらしい。地方の方が全然先輩なのだ。もう都市は飽和状態じゃん、といって皆地方に移ったらいいのに。

2015/03/15

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