若冲 (講談社学術文庫 2323)
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若冲 (講談社学術文庫 2323) / 感想・レビュー
はたっぴ
先日、念願の若冲展へ行き、図録と合わせて振り返った数日間。こちらの文庫を通勤バックにしのばせて、隙間時間に眺めてきた。絵画展は混雑を承知で出掛けたのだが、やはり若冲畢生の制作となる≪動植綵絵≫の三十幅は圧巻だった。色彩豊かな鶏鳥や虫や魚群、多くの植物に目を奪われ、極楽浄土はこんな風景かも…と人混みの中で棒立ちに。そして人々の視線を穏やかに包み込む≪釈迦三尊像≫を前にして感無量になった。もみくちゃにされたがしっかり鑑賞出来て大満足。この本の解説や画歴のわかりやすさは、著者の粘り強い研究の賜物だろう。
2016/05/30
ホークス
元は大型本で1974年刊。若冲研究の第一人者がその生涯に沿って作品を語る。図版多数の厚い文庫。絵は小さいけど、若冲の心理に踏み込んだ内容を手軽に読めて嬉しい。『動植綵絵』の図版を初めて観た時は衝撃だった。異常なまでの集中力。生き物の美しさに対する執念。凄く稠密なのに清澄。色と形がせめぎ合い溶け合う。とぼけたユーモアもある。勝手な解釈だけど、若冲は「奇と美」を追求する究極のオタクであり、孤独癖ゆえに俗っぽさを排除できた。今回は水墨画からも強い個性を感じられた。年をとって見え方が変わってくるのは楽しい。
2023/11/10
yukiko-i
美術館へ行く前の予備知識に読みました。若冲の生涯や作品の鑑賞ポイントがカラーで印刷された作品とともに読めるので、理解しやすかったです。コンパクトな分、絵が小さくて、細かいところまで確認するのは難しいですが、美術館のお供には最適です。
2016/11/11
びぃごろ
物語より先に学術書で予習。文庫で作品・解説・来歴・小論が読めるとは有難い。動植綵絵〈池辺群虫図〉〈貝甲図〉〈向日葵雄鶏図〉並びに〈葡萄図〉〈糸瓜群虫図〉が好き―若冲は「心象リアリズム」―
2015/12/14
ひろし
この中の絵では池辺群虫図が私のお気に入り。昆虫や蛙などの多数の小動物が細密に描かれているが、どれも生きている姿として描いているのが図鑑とは違っている。鶏の水墨画も生き生きとしており、正面向きの顔がマンガっぽかったり、しっぽが円を描いたりと少しデフォルメして描いているようだが、迫力ある着色画とちがって取っつきやすい。
2016/10/23
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