ジョン・マン3 望郷編 (講談社文庫 や 55-6)
ジョン・マン3 望郷編 (講談社文庫 や 55-6) / 感想・レビュー
Mark
土佐・中ノ浜と、マサチューセッツ州・ニューベッドフォード、を隔てる距離は、北極経由の最短直線距離でも11,000kmを超える。江戸時代末期、こんなにも遠く離れた二つの場所で、お互いのことを思いあう人たちがいたことは、驚かされます。ホノルルから、捕鯨船の乗組員として好奇心を失わず、貪欲に知識を吸収しながら、やがて「ジョン・マン」と呼ばれるようになる万次郎。この、前向きな姿勢こそが、周囲の人々をひきつけ、個人の成長を超えて、歴史に名を残す偉業を成し遂げる原動力になったのだと痛感させられます。
2024/07/29
ジロリン
すぐに万次郎のアメリカでの生活が描かれると思っていたら、その前に救われた捕鯨船に乗り込んで、万次郎が一人前の船乗りになってゆく姿が、アメリカに上陸してからの回想で語られる巻でした。万次郎の故郷の人々の様子と、捕鯨船での出来事が交互に描かれるのだが、各章の冒頭に記される日付をしっかり認識しながら読むと、日・米それぞれの「世界」の対比が面白い。航海の途中で故郷・土佐の目前まで来てるのに、ハワイで待つ仲間のために船に留まる決断をする万次郎の姿が胸を打つ。次巻からの、アメリカでの生活も興味深いものでしょう。
2015/06/16
との@恥をかいて気分すっきり。
待望の3巻。万次郎の成長ぶりが著しい。これからどんな活躍を見せてくれるのか楽しみで仕方がない。
2016/06/11
niisun
まだまだ序章の第3編です。いよいよアメリカの捕鯨船に乗ってアメリカ本土に向かうジョン・マンです。ここ最近、日本人の道徳心や伝統文化、技術力をやたらと外国の人たちに誉めてもらう類いのテレビ番組が多くて食傷気味ではあるものの、ジョン・マンの誠実さや才能、偶然目の当たりにした土佐の漁師たちの勇敢で自然への敬意を忘れない鯨漁から、一人の日本人、そして日本という国が、異国の人たちに評価されていく物語は、嬉しい気持ちにさせられます。次編はいよいよアメリカで生活をはじめるジョン・マンの物語!楽しみです♪
2015/10/03
誰かのプリン
捕鯨船に助けられ仲間はハワイに定住したが、万次郎は仲間の船賃を稼ぐためそのまま捕鯨船で働くことになった。勤務ぶりも真面目で鯨を見つけるのが得意。そんな船員達も万次郎を船員の一員として認め航海しながら鯨を捕獲する。四巻へ。
2018/05/10
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