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希土類少女 (講談社文庫 あ 118-9)

希土類少女 (講談社文庫 あ 118-9)

希土類少女 (講談社文庫 あ 118-9)

作家
青柳碧人
出版社
講談社
発売日
2015-04-15
ISBN
9784062930727
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希土類少女 (講談社文庫 あ 118-9) / 感想・レビュー

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ゆかーん

彼女たちを見ていると、まるでAKBの選抜チームを見ているようです。大人たちが少女たちを管理し、彼女たちの体から排出されるレアメタルを収集する様子に異常な世界を感じます。少女たちの自由を奪い、大人たちの都合の良い生産物として扱われる姿は、現代のアイドルそのもの。恋愛も禁止され、狭い世界で生きることを余儀なくされた少女たちの生きる意義とは何なのでしょうか…。15歳から25歳という限られた期間の中で、笑顔を振りまくアイドルと、レアメタルを絞り出す少女たちの姿が重なって映る、切なく哀しいラストとなりました。

2015/11/17

おかだ

設定がなんか好きで楽しく読んだ。体内からレアメタルを生成する「レアメタル生成症候群」を発症した少女達の物語。彼女達は25歳までしか生きられず、国に管理され施設でその生涯を送る。この物語はその施設の職員・江波と少女・由紀を中心に進む。魅力的な少女達が多く、施設での日々にもひきこまれる。なので、さくっと撫でるように終わった江波&由紀以外の少女の物語も気になった。このエンドはやっぱり…悲しい気がする。由紀にとっては幸せなのかなぁ。レアアースの知識がなくても大丈夫だった。アニメにしたら凄く映えそうな物語。

2019/11/30

カナン

資源に乏しい日本の少女たちが、その身からレアメタルを生み出した。貴重な存在である彼女たちは国の管理下に置かれ、青春を謳歌することなく25歳までに死ぬ。胸の谷間から柔らかな太腿から首筋から。希少な鉱物は惜し気もなく育まれ溢れていくのに、砂漠のように乾いた心からは何も溢れない。どうしてわたしたちなの。わたしたちはなんだというの。わたしたちのいのちのかちは「それ」だけなの。体が機能を停止してしまうその瞬間まではせめて、どこまでもありふれた、なんら特筆すべきことなどありはしない、普通の日々という夢を見せて下さい。

2017/11/12

dr2006

希な突然変異で身体の様々な部位から純度の高いレアメタルが発生する少女たちの物語。そのレアメタル症候群が発症したら永くても25歳迄しか生きられない。工業用材料のレアメタルを自給できない日本にとって、彼女たちの生産能力は政府による搾取の対象であり、政府は法制度のもと厳重に隔離した。彼女達が生成する様々な元素が気になり、元素周期表を見ながら読み進めた⒲薄命な彼女達の切ない恋愛感情を「化学」で還元したプロットは個性的で良かった。でも「なんてシュールな設定だ」とも思った。潔癖な倫理観を持つ方は少し戸惑うかも。

2022/12/07

異世界西郷さん

読友さんたちの評価が良いようなので読んでみました。最初は淡々としているように感じましたが、冴矢が本格的に物語に絡んできてからはあっという間に読み終えてしまいました。体からレアメタルを生成する少女。どんなに長くても25歳までしか生きられない。特別な感情は絶対に抱いてはいけないのにそれでも惹かれ合うふたり……。なに、この大好物の盛り合わせは! あと、冴矢の最後はどうなんでしょう。ハッピーバッドエンドなんて言葉があるのかは知りませんが、ある意味でこの消化不良な感覚が心地良いような気もします。

2015/05/10

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