家族写真 (講談社文庫 お 119-3)
家族写真 (講談社文庫 お 119-3) / 感想・レビュー
馨
短編集。荻原さん作品は相変わらずシュールで面白いです。表題作を読んだあとに表紙の絵を見た時感慨深くなりました。色々な形の家族。上手くいっていると言えなくても、他の人が見るとおかしいと思う形であっても、本人にとって家族は家族なんですね。『プラスチックファミリー』が1番好きでした。最後は切なくなりますが洋画の『ラースとその彼女』を彷彿とさせます。
2017/01/07
しんたろー
荻原さん得意技の人情劇が7編、家族をテーマに涙あり笑いありで描かれている。初っ端の『結婚しようよ』でやられた!定年間際の男が一人娘と二人暮らししている話だが、年頃の娘を持つ身には反則と感じるくらいツボにハマる…娘が嫁ぐまでの過程、亡き妻を思い出すシーン…何度も笑ったり泣いたりさせられた。『磯野波平を探して』も笑いつつシンミリと考えてしまったし『プラスチック・ファミリー』には切ない思い出が蘇った。台詞だけの構成で家族関係が楽しめる『しりとりの、り』も巧い。中年男性にとっては、頷く事ばかりの名短編集だと思う。
2018/12/10
おしゃべりメガネ
すっかり読んだ気になっていて、自分としては再読のつもりで読んでましたが、実は初読だった本作です。表題作はしっかりと荻原節をきかせてくれて、ちょっと歪みのあった家族の再生を温かく綴ってくれていました。他6編からなる短編集ですが、自分の読んだタイミングが悪いのか、思っていたよりはちょっとヒューマニティが薄味気味に感じられ、少し残念だったかなと。個人的にはもっとココロを温かくしてほしかったのですが、サラッとした感じでした。しかし、そんなに深くはないトコが本作のいいトコなのかもしれません。これはこれで良しですね。
2020/01/11
やっさん
★★★☆ 短篇。閉塞感に悩む中年男やカッコ悪いお父さんの話が多い。6作目のしりとりの話、最初は声を出して笑ったけど、話が進めば進むほど笑えない展開に・・・。こんなに切ないしりとりあるのか・・・。
2023/08/26
オリーブ子
夫の推薦図書。家族をテーマに、短編が7つ。まぁまぁの、なんで作品にしたの?な話もあるけど、いい話もあるというのが推薦文で。短編なので旅先で読みやすいと貸してくれた物。 私は最初の「結婚しようよ」でやられた。なにせ59歳で亡くなった母の名前が、定年を前にした主人公の、16年前に亡くなった奥さんの名前と一緒なんだもの。父はずっとどう思ってきたのか、すっかり感情移入しちゃった。 どの作品も面白かった。特にラストの「家族写真」かな。家族って、秘密があったり、すべて語り合えなくても、いいもんだと思います。
2017/01/24
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