満月ケチャップライス (講談社文庫 し 100-2)
満月ケチャップライス (講談社文庫 し 100-2) / 感想・レビュー
ポップノア♪@読書停滞中
スナック勤めの母と片足が不自由な妹の亜由美と暮らす中1の進也。ある日目覚めると台所に見知らぬモヒカン男(チキさん)が…。料理上手で寂しがり屋のチキさんですが、超能力少年として世間に騒がれた過去も。スプーン曲げの能力を兄妹に伝授したことで物語は不穏な方向へ向かいます。時代は平成4年。彼を狙う怪しげな宗教団体は思いっきり◯◯◯真理教(自主規制)。弁護士一家殺害や松本サリン事件を彷彿させる記述も有り、読んでるこちらが心配になりました。強くもないのに助けに向かうチキさんに涙。もっと彼らの幸せな姿が読みたかったな。
2021/03/15
アッシュ姉
朱川さん17冊目。既読作品と比べてしまうと、もっと切ないのくださいと思ってしまった。不思議な魅力のチキさんと兄妹のハートフルな交流と、後半の生々しい展開のギャップに戸惑う。急に実在の宗教団体や事件が出てくるので、朱川ワールドに浸っていたところから現実に引き戻され、夢から醒めたように感じてしまい、ちょっと残念だった。クスリのエピソードも馴染んでいないというか、らしくなくて違和感が残る。いろいろうるさくて、ワガママな読者ですみません。満月ケチャップライスは是非試してみたい。
2017/09/28
はつばあば
兄とはこれだけ妹を思いやるものかと、兄のいない私は羨ましいが、妹への負い目が進也を年齢以上に大人にしているのが物悲しい。「たいていの大人は本当は大人になりきれていない」の言葉は身に沁みる。子供にそれだけの言葉が吐けるのは凄いことだ。子供が子供でいられる期間は短い。その短い期間にチキさん登場は子供達が大人になっても忘れられない大事な人。愛情のあるところでしか超能力が発揮できないチキさん。チキさんもこの家族との触れ合いをいつまでも忘れられなかっただろう。笑顔で、家族で「満月ケチャップライス」を作ってみない?
2015/05/16
なっち
好きな作家の白作品。現実の宗教を出したことで、話が生臭くなってしまったことが残念。超能力とか非科学的なものが出た以上、すべてフィクションであってほしかったな。でもチキさんと子供たちの交流は心温まるものだったし、まだまだ続きが読みたかった。
2018/04/05
coolgang1957
中学生を主人公にした話が2冊連続(前冊は「オーダーメイド…」)になってしまった。けど全っ然タイプが違って楽しめました。“謎の組織”があの団体やったなんて考えてなかったから、そこへつなげるかあっていうところも面白かったw チキさんは組織に立ち向かって壊滅させたのか、それとも玉砕したのか…そこらへんの話も読んでみたいな
2015/07/09
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