ギャングース・ファイル 家のない少年たち (講談社文庫 す 45-1)
ギャングース・ファイル 家のない少年たち (講談社文庫 す 45-1) / 感想・レビュー
しいたけ
鑑別所で出会い少年院で同じときを過ごした4人。親と社会に棄てられ、散々な目にあわされてきた彼らが、這い上がろうと選んだ手段は犯罪だった。許されることではない。ルポタージュゆえ、被害者がはっきり存在する。だがそこは彼らが棲息する世界。やったりやられたりの、無責任な言い方をすれば私たちとは交わることのない世界なのだ。それなのに惹きつけられる。生き延びて欲しいと願ってしまう。逃げろと、立ち上がれと、エールを送りたくなる。彼らが本当に求めているものは何なのか。ラストに、感動ドラマばりのエピソードが用意されている。
2018/05/29
choco
鈴木さんの表現力は素晴らしいと思う。やるせない悲しい現実を生き抜く少年たちの深い深い傷は、一体どこで修復されるのか。何が正しくて何が正しくないのか。鈴木さんの本を、もっと読んでみたい。
2016/01/28
リキヨシオ
今回も日本人が本能的に目を背むけがちな暗部が衝撃的!ただ今回の「不良」に関しては「貧困女子」や「シングルマザー」に比べると共感できない部分もある。劣悪な成長環境、虐待や貧困、学校、地域、社会から孤立した被害者だったけれど、DVや援デリなどの「被害者」になる女性が多いのに比べて「不良」は詐欺に窃盗や傷害事件において「加害者」になるケースが多く、その犯罪行為を彼らの多くは仕事と捉えている…が犯罪を続けないと生きていけない食べる為の手段。イメージで断定するだけでなくこんな側面もある事を把握する事が大切だと思う。
2015/05/26
マッキー
詐欺や強盗でお金を巻き上げたり薬物取引で儲けたりアウトローなことをする子供は、みんな幼少の時から居場所がなく誰からも愛されずに育ってきたのだな、と思う。誰にも頼れず犯罪することでしかお金を稼げない、そんな環境に子供を置き去りにした彼らの親にもひどい嫌悪を覚えた。
2015/10/25
だいごろうA Sky Full of Stars
感想を記すのに、少し戸惑いがある。何気なく少年犯罪が日々ニュースで、目にするにあたって手にとって読んでみた。これはルポ本である。だから抵抗もあったし、それでも、被害者側や加害者側の立場に置き換えてみようと思いましたが、先入観にとらわれていた自分がいました。これは、私個人の考え方です。ルポライターの鈴木さんは、凄いと思う。ぜひ機会があれば一度目を通してみてください。
2015/06/10
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