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喧嘩猿 (講談社文庫 き 52-7)

喧嘩猿 (講談社文庫 き 52-7)

喧嘩猿 (講談社文庫 き 52-7)

作家
木内一裕
出版社
講談社
発売日
2015-07-15
ISBN
9784062931298
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喧嘩猿 (講談社文庫 き 52-7) / 感想・レビュー

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しんたろー

木内さん作品で唯一読み残していたのは「お得意のスピード感ある面白い話を時代劇で書けるのか?」…疑った自分を恥じる快心の作品は、講談が小説になったようなテンポ感で、ワクワク胸躍る冒険活劇になっていた。次郎長一家の有名人・森の石松の少年時代を活き活きと描き、個性豊かで魅力的な「漢」たちが交錯して、熱くて格好良い!読み始めは、旧字体&ルビが満載なのが難点だったが、慣れてくればそれさえ妙味に感じる。泣き笑いの人情とアクションのバランスも丁度良く『ぼろ鳶組シリーズ』が好きな人にも勧められるエンタメ時代劇の佳作👍

2019/12/09

ナルピーチ

時は幕末。“森の石松”の若かりし頃、血気盛んな時代を縦横無尽に暴れ回るその姿。売られた喧嘩は必ず買う。旅路で出会う破天荒な奴らとのスピード感のある物語にスカッと気持ちよく読めた!個性丸出しのキャラ達が啖呵を切っていく様がとてもカッコイイ!木内先生が描いた講談小説は、読み始めこそ旧字体とふりがなだらけの筆致に疲れが見えるも、慣れればそこは気にしなくなる。講談と謳っているだけに、テンポよくリズムに乗るようにサクサク読める会話劇がとても楽しめた。これは是非、講談師の方に朗読してもらいたい。

2022/10/22

chiru

喧嘩っ早く向こう見ずな幕末アウトロー石松の、捨て子からスタートした青春を描く。奪われた名刀池田鬼神丸奪還を誓う石松は、いつだって喧嘩上等‼ 売られた喧嘩を買うのも啖呵を切るのも、石松の鉄砲玉のような勢いが痛快。「なんでぇ!やろうってぇのか!この野郎!」的な掛け合いが、だんだん耳に心地よく響いてくる。でも本当の石松は、人一倍純粋で人情深く、度胸を資本に己の信じる道をまっすぐ進む。精一杯、見栄を張る。そんな生き方しか選べない男たちが憎めない。子供のために命を張れる石松は男も惚れる男だと思う‼ ★4.5

2020/08/10

ぶち

読友さんに"あの木内さんが書いた時代物"と教えていただいた本です。読んでみると、五七調で講談のようなリズムが小気味よく、木内さん一流のスピーディな展開が時代物にも生きています。主人公は"寿司くいねぇ"の森の石松。といっても少年時代のお話しです。舞台は駿河の国から甲州。三島の宿、籠坂峠、山中湖、御坂峠、身延と、私にも馴染の場所ばかり。いやが上にも臨場感が増してきます。そして、16歳にしていっぱしのヤクザものみたいな一本気に、天晴と喝采をあげてしまいました。幕末のアウトローたちを描いた講談小説に満足、満足。

2020/11/06

みゆ

木内さんを追っかけて、まさか時代小説、しかも任侠モノに出合うとは!時代は幕末、主人公は森の石松。旧字&ルビにちょっと戸惑うが、講談調にテンポよく話が進む。石松の一本気さに『単純バカ?』と苦笑しながらも『無法はしても非道はしねぇ』と猪突猛進するのが任侠道。講談師のパンパンと扇子を叩く音が聞こえてきそうでした。エピローグで登場人物たちが新鮮組や新政府に関わってたとありビックリでしたが、あれだけ『子分にならねぇ』と言ってた石松が、どういう経緯で次郎長の子分になったのかが気になります(^-^;

2020/10/06

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