負ける技術 (講談社文庫 か 136-1)
負ける技術 (講談社文庫 か 136-1) / 感想・レビュー
ホークス
元本は2014年刊。自己啓発本ぽい書名だけど違う。上手に群れに混ざれない、コミュニケーション能力の無い漫画家(女性)によるブラックお笑いエッセイ。身につまされながらも笑った。辛辣だけど自分だけは例外。下品な話は徹底的に下品で押す。男にも女にも媚びない。かと言って正直でもない。世間とズレがちな自分を叩くフリをしつつ、「リア充な連中だっていい加減でノータリンじゃねーか」と居直る。自虐を装ったこのアナーキーさが痛快。北大路公子氏と違う角度の私生活や家族ネタも、心配レベルだけど面白い。こういうヒネクレが好き。
2021/06/23
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
はじめからおわりまで自虐の嵐!グッとくる自虐がいっぱいで読んでいてにやける。引用→ /現実社会で発言権がゼロだとこれだけネット上で書くことがあるのだ。/私の前に道はない。ただ崖があるだけだ。/典型的「人に嫌われることを極度に恐れるあまり誰にも好かれない人間」の行動である。/「ひとりではなにもできないが、助けてくれる人もおらず、自分から助けを求めることもできない」とは、自分の人生においてほぼ日常といっていいことであり、/そもそも現実に話を聞いてくれる人がいないからネットに書くのだ。/
2017/05/28
detu
恐いほど自分の肌に合うエッセイ。その割りにはちょいとも進まず。エッセイは2、3ページ完結でどこでも区切れる事が最大の原因。ましてe―book、出先の時間潰しに読もうと温存してしまった。一気に読むと流れがあって非常におもしろい。カレー沢薫。不思議な魅力の持ち主。
2016/02/10
じーにあす
「非リア王」がとても良かったので読んでみることに。この、脳を使わなくて済むゆるいエッセイ。リア充を心の底から憎み、己の黒歴史を惜しげもなく晒し、自らの情けなさを際限なく綴る。そして、お下品。だいたいね、人間なんて闇を抱えて生きている方が普通で、自分の幸せを晒したがる人間より、自分の闇をここまで惜しげもなく書いてくれる方が好感が持てます。自分もかなりの非リア充なので共感しまくりです。そして、自分への自己分析能力や他人への観察力が実は相当高い。だからこそ笑えるし不思議と明るい気持ちになれる。へこんだ時に是非!
2020/10/28
葵
噴飯読書だった^^外で読んでるとき何度も笑ったし、マスクしてて良かった!しかし、結婚式の小っ恥ずかしさは今ならわかる。結婚以外に見せびらかすような契約はどこにもないよな。冷静に思えば確かに自分がウェディングドレスを着て登場した時点で9割スベッてたわ。誰があんなもんに興味があるんだ…。だから私、全然結婚式の写真見返せないんだよねwカレー沢さん、自己嫌悪を吐露してはいるが、猛烈な自尊心と、ときにはかすかな優越感をもってそれが相殺されている気がする。本人を前にこんな分析したら「殺す」って思われそうですがww
2020/06/16
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