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神子上典膳 (講談社文庫 つ 33-1)

神子上典膳 (講談社文庫 つ 33-1)

神子上典膳 (講談社文庫 つ 33-1)

作家
月村了衛
出版社
講談社
発売日
2015-11-13
ISBN
9784062932189
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神子上典膳 (講談社文庫 つ 33-1) / 感想・レビュー

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海猫

剣豪小説、冒険活劇、ある種の仕掛け、といろんな要素が入ってるし、各パーツ上質ではあるが、一冊のまとまりで考えるとカタルシスが弱い。剣戟場面の殺気は素晴らしいが勝敗がぼやかされる展開が多い。活劇としては主人公の造形がぼんやり焦点があってないので盛り上がらない。なんでそうなちゃってるのか?は終盤で腑に落ちて、ああなるほどではある。でもこれ、ここにいたるまでの展開をモヤモヤさせる効果になってないか。仕掛けとしては面白いんだけどさ。初期作品なので光るものがあってもまだ炸裂していない、といったところか。

2015/12/23

つねじろう

追手をかけられたゆきずりの姫と小姓を守るハメになる寡黙な武士。厭世観や破れかぶれ感や頑な感があり過ぎて大変怪しい。でもこれが凄く強い。圧倒的なスピードの一刀流が敵を倒して行くその様や見事。でもちょくちょく切られたり刺されたりする。満身創痍の捨て身感に逆に緊迫感やリアル感が増す。月村さんて機龍警察の主人公達もそう決して無事では済まない。伊藤一刀斎の弟子の神子上典膳その秘められた過去が明らかになると、それはあっと驚く仕掛けがあってびっくりびっくり。すっかり騙されるけど全ての謎がすっきりするので満足の一品です。

2015/12/07

えみ

肉体から魂をごっそり抉り取られた!心内に秘めた本性、隠し切れずに溢れる強さ、隠しもしない剥き出しの才。どの角度から見てもその凄まじき生き様に一瞬たりとも目が離せない。どんな雑音もこの小説を読んでいる間は無音となる。そんな威力と破壊力を持った一冊だった。一拍子相打…刹那の決着。地獄を食らい尽し業火で焼かれ続けているその身に宿った無敵の剣。何度でも会いたくなる。その最強の剣を手懐けた神子上典膳に。重臣の謀反により追われる身となった澪姫と小弥太は神の情けか気紛れか、典膳に救われ逃避行が始まる。魅力と色気!最高!

2021/07/07

hit4papa

時は秀吉全盛の頃。世にその名がとどろき渡った剣豪神子上典膳が、偶然出会った婦女子のため、満身創痍となりながら戦い抜く...という、実在の人物を主人公(?)にした剣豪小説です。はたまた、剣豪ミステリでしょうか。著者らしい流石のアクションシーン満載ですが、些か、現実離れしていますね。所々緻密さが欠如しているせいか、名人がうっかりぽっかりしすぎ!と読み進めながら脱力気味になります。ヒーローものにしても、何故、そんなに頑張るの?が、つきまといます。そこは、最後にえーっ!となるんです。結局、タイトルにやられました。

2018/03/11

papako

おお!こういう時代小説、初めてです。月村さんの『土漠〜』『槐』『影〜』の流れの元ですか?息もつかせぬ逃亡劇。ひたすらかっこいい主人公。しかし、『神子上典膳』の正体と、神子上典膳の心意気にぐっときました。この、芝居がかった台詞や文章が気分を盛り上げてくれました。鳶造、かっこよすぎ!

2015/12/16

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