ルカの方舟 (講談社文庫 い 137-1)
ルカの方舟 (講談社文庫 い 137-1) / 感想・レビュー
papako
『る』から始まる本を探していて、気になって。火星からの隕石を巡り、論文の偽装告発、殺人がおこる。隕石の調査や解析等々、専門的な内容が多く、ちょっと読みにくい部分もありますが、隕石や生命の起源にせまるロマンが感じられて、なかなか引き込まれました。研究者という人種の悲哀も感じられます。先日読んだ『捏造の科学者』でも感じましたが、『研究』という答えのない世界でがんばる人たちが陥る泥沼がひどく悲しいものだと思いました。次は『ね』
2015/11/30
ソラ
とても面白かった。ストーリーもそうだけど研究におけるあれこれが散りばめられていてそういう方面でも面白かった。この百地先生と小日向のコンビの続編とか無いのかな。
2015/10/24
kk
辛くて先の見えない生活にもめげず、いつの日にか大発見をモノにしようと自分の研究に打ち込む若きポスドクたち。そんな彼らがアカデミアの黒い側面に曝されて煩悶するなか、哀しい事件が起きてしまうのです。ハードなミステリー・ファンにとっては、ひょっとしたらプロット的に物足りないかもしれませんが、人の生き方や感じ方を描く物語として、kkは惹かれるものを感じました。「天才」百地教授のキャラも面白いし、悲しいストーリーではあるものの、読後感はわりと爽やかでした。
2020/08/29
RIN
『お台場アイランドベイビー』『磁極反転』に続き3作目の伊与原さん。相変わらず科学ネタ全開。前述2作がシリアス系だったのに対し、今回はちょっとラノベミステリっぽい軽めのテイスト。科学界のFFP問題と言えばかの有名なST○P細胞事件が記憶に新しいが、本作はその1年前に出されたもの。これを読むとアレは起こるべくして起こったとしか…。人は死ぬがミステリというより、やはり研究者を取り巻く過酷で杜撰な環境を知らしむる社会派。なのにラノベっぽいのは探偵役の”天才”百地教授にひふみんしか思い浮かべられないところ(笑)
2018/02/06
朗読者
感動☆3つ。人が簡単に殺されるミステリは好きでないのにこの作品を読んでしまった。連続殺人事件が起き、名探偵役が名推理で真相を暴いていき、最後にあっと驚くどんでん返しが待っている、という典型的、古典的な作りのミステリ。ただ、科学とロマンがふんだんに盛り込まれているところが他のミステリとは大きく異なる。磁鉄鉱の話、南極隕石の話、火星の話、生命起源の話、どれも面白かった。
2022/03/26
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