レジェンド歴史時代小説 大奥婦女記 (講談社文庫 ま 1-55 レジェンド歴史時代小説)
レジェンド歴史時代小説 大奥婦女記 (講談社文庫 ま 1-55 レジェンド歴史時代小説) / 感想・レビュー
chantal(シャンタール)
清張先生は晩年は歴史物をよく書いていたが、これもその内の一つ。面白かった〜春日局によって整えられた大奥制度。その時々の将軍によって大奥で権勢を振るった女性たち。その機嫌を取ろうとする或いは粛清しようとする政治表の男たちとの葛藤など、江戸幕府の中で大奥がどれだけ影響を及ぼしていたか。そして大奥に取り入り悪さをする坊主たちには腹が立つ。これだから明治の時に廃仏毀釈の憂き目を見たのね、などとため息。やはりいつの時代も女を敵に回しちゃいけないのよ。
2020/07/05
さつき
江戸時代の大奥にまつわる短編。三代将軍家光への春日局の献身。尼僧だったお万の方。男児が欲しくて狂乱する犬公方とその周囲。絵島、生島事件などほぼ既知のエピソードでしたが、著者ならではの感情に流されないドライな筆致は欲にまみれた人々の醜態を際立たせる効果があると思いました。
2021/10/25
ひなきち
まるで現場を実際に見てきたかのような…淡々とした文章に、どハマり。夢中で俯瞰読みしました(気分は「家政婦は見た!」の感覚に近い…!)そーなると、ますます大奥&徳川幕府が面白くなってくる!!人間ドラマが濃厚すぎて、1冊ではもったいなかったのではないかな。1つ1つのエピソードを掘り下げて読むことにしよう。やはり小説は人間が生き生きと描かれてると、面白いんだなぁ。特に負の感情が入ってると、なおさらね(笑)
2015/12/26
ゆい
大奥もの特有の女のドロドロした感じの作品ではないのですが真新しい話はない感じでした。
2016/02/24
バーベナ
大奥についてはほんとうに史料が少なく、限られた中から想像するしかない世界だけれど、だからこそ夢中にさせられてしまう。読んでいる間は、大奥の住人:御犬小供の気分。世継ぎが産まれないために悩む綱吉。それ以上に心を痛め策略を巡らせる女たち。ちょっとし風向きで生き死にが分かれたり。人間の命が軽かった時代だなぁと・・。
2015/12/15
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