レイク・クローバー(下) (講談社文庫 に 29-12)
レイク・クローバー(下) (講談社文庫 に 29-12) / 感想・レビュー
shiozy
孫の風邪をうつされて、丸一日寝込んでいた。おかげで読書が進む。一気読みの下巻であった。レイク・クローバーでの舞台が一転、原潜へとかわりにわかにワクワク感が増してくる。緊迫感マックスである。寄生虫に感染した4人が隔離空間に閉じ込められ、殺戮の連鎖が始まる。どうなるんだ、このあと? 言えねえ、いえねえ。それは読んでのお楽しみ。
2015/12/01
ミスターテリ―(飛雲)
後半は、潜水艦という密閉空間で感染がひろがるパニック状態の恐怖、そして現地ではいかに原因を特定できるのか、また国際紛争の中、最後まで事実を隠そうとする米政府、まさにスピード感溢れる面白さだった。ただウイルスのように空気感染で爆発的に広がるという恐怖ではなく、あえて地域性のある寄生虫という限定的なものにしたのは、この作品のテーマをより強く描き出すためで、人類が欲望のあまり、自然の脅威を恐れず未知への領域へと突き進む、その結果がどうなるか・・つねに時代と向き合った作品を描く楡周平の人類への警告のように感じる。
2024/02/19
Walhalla
こう言うのを、怖いもの見たさと言うのでしょうか。 頭の一部では拒絶しているのが分かりながらも、下巻を手に取ってしまいました・・。作品としては、国家の謀略、原子力潜水艦、米海軍特殊部隊、CDC・USAMRIIDなど、いかにも著者の作品らしい要素がいっぱいでしたね。ただ、それらをも飲み込む寄生虫・・。怖すぎます。
2017/11/21
うめ
フィクションなので、当然物語を収束させるための作為はある。だけど、そのさじ加減が絶妙。なんだこれは本当にすごいな‼︎リアルだけれども、読後には、ああ、良いフィクションに浸れたって、心地よい非現実感に浸れる。時に鼻に付く事もある著者の主張や考えをぶっこむ代わりに、作品全体にアイロニーを織り込んで、溜飲を下げさせる。エピローグとかね、うますぎですねなんだこれ。筆力もすごいし、場面の切り替えもお見事。会話や作中人物の思考に嫌味がないけれども味気なくもない。最高のエンターテイメントでした。本当楽しめた。
2016/01/08
フーミン
最近はほのぼの系やホロリ系の本を読んでいたせいか寄生虫感染パニック系の展開にはぞっとしつつ片目をつむって読みました。現実未来にあるかもしれず、感染したら人類に終わりがくるかも…延命のため医療の進化を模索する今の世の中とマタンの死を抗う事なく受け入れる生き方。どちらが人間にとっていいのか問いかけているような気がします。肝心のラストが見えないので不安が残る。
2017/03/26
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