スピンク合財帖 (講談社文庫 ま 46-13)
スピンク合財帖 (講談社文庫 ま 46-13) / 感想・レビュー
ふう
猫との暮らしを描いた本は、猫の命を守るためにかなり真剣になっている町田氏が登場しますが、この犬との暮らしを描いた本は「苦虫」シリーズを思い出させる楽しい内容で、「おっさんは世界の奴隷か」ならぬ犬たちの奴隷と化した町田氏(本の中ではポチと呼ばれています)が登場します。3回も大型犬に引き倒されるなんて、動物に対しても謙虚でいいですね。役に立たなくても命の価値は同じ、という考え方にも納得。いつか犬と猫が仲良く暮らす様子も読みたいものです。 町田さん、長生きしてください。
2015/12/14
ワニニ
前倒しに生きるポチさん、それにお付き合いしている皆さん、早回し人生でも良いから、×2楽しんで、またステキなお話を読ませて下さい。日常からPUNKな町田康。事細かに巧みに自己卑下する感じが、妙に可笑しい。愛すべき人。美微さんの掌で転がされている気もするけれど。それにしても、セラピードッグについては考えさせられる。切ない気分。スピンクの目を通して描かれたポチさんの、そして皆さんの生活は、カンガルージャーキーみたい?いえ、ご褒美の時だけあげるなんて、そんな吝嗇なことは言わないので、元気に仲良く暮らして下さいね。
2015/11/29
saga
『猫といっしょにいるだけで』を読了したら、町田さんの本書を読みたくなった。スピンクの語りで、主人・ポチのおかしな日常を描く。桂枝雀の落語を彷彿とさせるような表現に、思わず微笑んでしまう。新たな仲間・シードを12万円を支払ってまで引き取る「シードのこと」は、ペット産業の問題点をえぐった作品だった。読了後、自分の本棚「猫」を「猫(犬も)」に変更した。
2020/09/02
ユメ
新たにトイプードルのシードも加わって、ますます賑やかになったポチ一家。牧場でセラピードッグをしていたシードが家族になった経緯には胸が締めつけられた。御本人は「蜘蛛の糸」の影響だなんて嘯いているけれど、犬が犬らしくいられるためにシードを迎え入れたポチこと町田さんはとても真っ当な感性の持ち主だと思う。初めのうちは何を考えているかさっぱりわからなかったシードが、ポチ一家に馴染むにつれいたずら小僧ぶりを発揮するのが微笑ましかった。ああスピンク、とっても話上手なスピンク、私はあなたにメロメロです。
2018/03/07
kera1019
散歩に行けなくて暇な日も、つまらないトレーニングの日々もスピンクにかかると、とても可愛い楽しい毎日になりますね。
2018/06/26
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