梟の系譜 宇喜多四代 (講談社文庫 う 57-21)
梟の系譜 宇喜多四代 (講談社文庫 う 57-21) / 感想・レビュー
ちばと~る
中国三大謀将の一人である宇喜多直家。数々の陰謀を巡らしのし上がってきたワルのイメージが強いですが、幼少期や若いころってあんまり知らないな〜と思い読んでみました。なるほど!幼少期の宇喜多家滅亡とその後の流浪が〜ってことですね!他の武将で幼年期に乞食同然の流浪体験があるのって誰だろ?明智光秀や尼子経久も流浪してても青年期だな〜。一応宇喜多能家の自刃から興家と八郎(後の直家)の流浪から秀家の八丈島流罪まで描かれてますが、秀家の描写が少ない!宇喜多氏4代のお勉強にイイです!!
2017/01/07
future4227
宇喜多四代という副題がついてはいるが、そのほとんどは宇喜多直家の生涯を描く。一度は城も家臣も失い、ゼロの状態から謀略を駆使し、あっちについたり、こっちについたりしながらお家再興を果たす。これって真田昌幸と同じじゃないか。ぜひ大河ドラマにしてほしい。幼少期からの苦労人で、絶食日を設けて兵糧の節約を図るなど、家臣と一緒になって苦楽を共にする姿はまさに理想の上司。そのため宇喜多家の結束は固く、家臣の裏切りもない。そのおかげで、なんの苦労もなく育ってしまったボンボン秀家が、お家を一気に破滅させる。なんとも哀れ。
2017/08/01
金吾
直家を中心に宇喜多家四代の歴史が更々と書かれています。何冊かはありますが、有名なわりにあまり本の主役にならない家なのでそれなりに面白かったです。宇喜多騒動をもう少し詳しく書いてあればなお良かったかなと思います。
2020/09/10
onasu
戦国武将なんて、凡そ腹黒くなきゃ生き残れない。その中でも梟雄に数えられる宇喜田直家。信長の毛利攻めという有名どころで暗躍したもんで、殊更著名なんでしょう。 しかしながら、そこんとこしか読んでいないと、祖父が謀殺され、父子で十年近く浪々した後、宇喜田の家を再興したなんて話しには触れられない。それ故に、どんな手を使っても存続を図り、力を蓄え、謀を巡らし復讐を遂げると共に備前を分捕った。 些かきれいに描き過ぎだが、直家の数奇な生涯を追った物語は、十二分におもしろい。秀家は過ぎたる身分に…、まあ溺れるわな。
2016/03/30
フミ
「四代」とありますが、内容は戦国時代の備前(岡山県)で、6歳で落城→浪人の身から再起して、一国を奪った「宇喜多直家」の一代記です。主に、直家の目線で、弟2人、備前福岡の豪商など、登場人物を絞りながら、周辺領主たちの併呑を描いていく流れですが、人物、土地、合戦などの解説が駆け足で、情景が浮かびにくいかな…と感じました。主家である「浦上家」が播磨の赤松家と争い、弱体する話などは、興味深かったです。あと最後の妻「お福」、世話してくれた乳母以外の女性には、冷酷な人物として描かれていますので、女性の方は、ご注意を。
2023/06/27
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