桜の花が散る前に (講談社文庫 い 140-1)
桜の花が散る前に (講談社文庫 い 140-1) / 感想・レビュー
夢追人009
伊岡瞬さんの第5作は内気なカメラマンの主人公と美人占い師の長い恋の行方を描いた5編の連作ミステリー短編集ですね。著者はこれまで男女の恋愛模様を描くのが苦手なのか殆ど正面切って書いてこられませんでしたが、本作では遠回りしながらも堂々と中心テーマに据えて見事に完成させられましたね。でもギリギリまで迷いもう駄目なのかとハラハラドキドキさせられるのですね。けどまあ振り返ればスンナリといくよりも後から湧いてくる感動が大きくて良かったですね。カメラマンの乾耕太郎は幼馴染の美人占い師・深沢桜子を深く愛して仕事を手伝う。
2022/02/26
takaC
伊岡さんはラブストーリーも書くのか。意外。これをラブストーリーに分類するかはさておき。それはそうと超美形の深沢桜子さんのご尊顔を拝見したいです。そういう意味ではこのカバーイラストはちょっと不服。
2018/02/13
モリー
想う気持ちが強いから、尚更、本当の事を言えなかった二人。話さなければ伝わらないけれども、口には出せない理由があったのだ。二人の抱えていた秘密は、互いを愛するが故に隠していたこと。しかし、読者としては、二人の距離がいつまでも近づかない事が、じれったくて仕方がなかった。だからこそ、最後まで一気に読まされたとも言えるだろう。
2023/08/15
となりのトウシロウ
全体的にサラッとした印象でサラリと読める。フリーのカメラマンの耕太郎と亡くなった父天山の跡を継ぎ「占い処七ノ瀬」を営む桜子。桜子を守り、力になりたい。あわよくば頼りになる男と認められたいという耕太郎。そんな二人を巻き込む5つのお話。光太郎の桜子に対する恋愛感情を通底とするちょっとしたミステリーがよみどころか。ただそれが控えめなので物足りなさを感じてしまう。しかし、最終話では、耕太郎・桜子の双方がお互いに明かせずにいた天山の亡くなった時のことが明らかになる。最後は少し無理矢理感があるものの読後感良し。
2023/02/23
三代目けんこと
もぉ〜おじさんは、2人に焦ったさを感じながら読んだよぉ。とりあえず幸せな気持ちで本書を閉じれて良かった。それにしても、あの『代償』を書いた同じ人とは思えないハートフルな物語。
2021/08/20
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