螺旋の底 (講談社文庫 み 64-3)
螺旋の底 (講談社文庫 み 64-3) / 感想・レビュー
nobby
これは見事にヤラれた!エピローグですっかり混乱してから迎える最終章で明かされる仕掛けは実に単純かつ巧妙!何となく気になっていたことがジワジワと結びつくのが地味ながら秀逸(笑)フランス田舎町の石造りの館にある曰くつきの地下室。戦時下の悲愴と重ねて螺旋階段を下りながら殺戮を繰り返す主人に対して若妻は母の復讐を誓う。2人の視点で交互に描かれる駆け引きを必死で追いかける。フランスが舞台であることに何故とか困惑ばかり感じるが、結果的に他ではありえない…まさに全て見届けてきた『螺旋の底』を名付けたタイトルはアッパレ!
2021/12/08
ちょろこ
いつから騙されていたんだろう、の一冊。フランスのお屋敷が舞台。屋敷をつらぬく螺旋階段、謎に包まれた地下室、家政婦に使用人…と陰鬱な雰囲気バッチリでひきこまれる世界だった。なんとなく違和感を感じながらも迎えたラスト。まさに螺旋階段のようにぐるぐるさせられた感覚。あぁ、いつから騙されていたんだろう…と言いたくなるぐらい緻密に計算されたミステリ。
2018/03/29
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
この作者の作品は今までも2作読んでいて、なんとなくその底知れない怖さが気に入っていたので、今回新作を購入。華々しくパリで活躍していた主人公の女性は、セラピストとして治療した、ある田舎の君臨者の男性と結婚する。しかしその真意は、地下への扉が閉ざされた豪奢な屋敷の秘密を暴くことであった。女帝として君臨する住み込み家政婦のデュポン夫人、無口な使用人ジャン=ルイ、妻の居ぬ間に少年を拉致し殺害し、地下に隠している夫、なんとか真相を探ろうとする妻ーー。最後の展開には驚いた。そういうことだったのか。おもしろかった。
2016/05/23
きっしぃ
そういえばこういうことをする作家さんだったな…(´・ω・`)とエピローグで唖然としてから思い出した。舞台はフランスの田舎町。ある新婚の夫婦、それぞれの視点、それぞれの思惑、螺旋のように絡まって…。なんだか色んな要素が入ってて、なおかつ苦手な外国人の名前だったから読むだけでいっぱいいっぱいで、推理するまでいかなかったー、思わず二度読み。深木さんの小説は今後も要注意です。
2017/11/04
坂城 弥生
ナチスの支配が解かれてからの悲劇。
2021/10/14
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