ローカル線で行こう! (講談社文庫 し 42-23)
ローカル線で行こう! (講談社文庫 し 42-23) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
真保裕一氏の小役人シリーズなどと称される初期の小説は、主人公も、その設定もまた地味ではあったが、そこにはたしかなリアリティがあった。ところが、久しぶりに読んだ彼の比較的近作に属する本書はすっかり様変わりしていた。新幹線のカリスマ・アテンダントをいきなり赤字に苦しむローカル線の社長にというのは、いかにも安直である。しかも、赤字の打開策として提示されるものは、いずれも二番煎じの寄せ集めだ。ミステリーの要素を加えたのも、単なる再生物語ではプロットを背負いきれなかったからだろう。しかも、その構造も見え透いている。
2017/04/20
しんごろ
赤字ローカル線を再生させる話!ただ赤字ローカル線を黒字化するだけのお仕事小説だけでなく、社員の成長物語でもありましたね。ちょっとしたビジネス書的な感覚も感じました。さらにミステリーの要素、恋愛要素も加わってエンターテインメントの感じになり、痛快であり、爽快な仕上がりに、500ページ超える作品ですが、あっという間に読み終えました(^^)欲を言えば、お仕事要素に感動感を、ミステリー要素にもうひとひねりというか、スリリングさが欲しかったかな。ただ恋の切なさは痛感しました。【読んだ本:通算200冊目】
2017/06/29
ちょこまーぶる
鉄道好きとしてめっちゃ楽しく読み終えた一冊でした。赤字ローカル線が職員の結束でアクシデントに立ち向かい、地域の方々とともに再生していく話なんですが、読後はスカッとして凄く心がスッキリと晴れ渡りましたね。登場人物のキャラ設定がはっきりしていて、それぞれのキャラに応援しながら読み進めました。それにしても、新社長となった元新幹線アテンダントの篠宮社長の職員の操縦術やお客さんへ対するサービスの作り方などを固い頭でサービス業をやっている勘違い経営者の方々に一読してほしいですね。そして、最後はほろっとなりました。
2017/02/17
佐々陽太朗(K.Tsubota)
かなり楽しめるお仕事小説でした。たとえ困難に思えることであっても、あきらめず熱意を持って頑張れば必ず良い結果が得られる。心ある者は味方してくれる。最後は正義が勝つ。誰かから「世の中そんなあまいもんじゃない!」とおしかりを受けそうだが、小説の中ではそうあって欲しい結末を迎えることが可能だ。フィクションだと分かっていても、心あたたまり、胸が熱くなる。元気が出てくる。だから私は小説が好きなのだ。真保氏の「行こう!」シリーズの他作、『デパートへ行こう!』『遊園地に行こう!』も読んでみたい。あぁ、気分爽快。
2016/09/15
再び読書
少し期待し過ぎたのかもしれない。面白かったが、終盤は犯人探しがメインになりお仕事色が薄くなり、ちょっとだけ物足りなかった。また最後でどうなったんかいって感じで、多分に自分の精神状態との関係で、すっきりした結末を期待していたのかも。読書というのは読む自分の精神状態により印象が変わるのではと感じた瞬間でした。この本ももっと面白い本と思いますが、読み切れなかった感が残ります。まあ、気にせずにまた読み進めていこうと思います。
2016/07/04
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