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島はぼくらと (講談社文庫 つ 28-18)

島はぼくらと (講談社文庫 つ 28-18)

島はぼくらと (講談社文庫 つ 28-18)

作家
辻村深月
出版社
講談社
発売日
2016-07-15
ISBN
9784062934510
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島はぼくらと (講談社文庫 つ 28-18) / 感想・レビュー

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さてさて

過疎化に喘ぐ島が多い中、本土で暮らしたことのある大矢村長の巧みな政策で島の外からの流入者も増えた冴島。『シングルマザーの島』とも呼ばれるそんな島を舞台に描かれるこの作品。主人公達2組の淡い恋愛模様を背景に、高校生活、将来への不安、そして自我の芽生といった高校生達の青春が描かれていくこの作品。そこに蠢く大人社会の闇の世界との葛藤が描かれる物語は、後半、「スロウハイツの神様」のあの人が”おいしいところ”を全部持っていってしまう鮮やかなまでの結末を見ます。何とも爽やかな読後感の中に島に吹く風を感じた作品でした。

2021/10/24

三代目 びあだいまおう

2月29日は辻村先生のお誕生日。他人の4倍の時間をあげるから素晴らしい作品をより多く残しなさいという神様の思し召しか。本作も素晴らしかった!瀬戸内海の離れ小島に住む仲良し高校生4人が主人公。過疎化が課題の島事情がリアルに描かれ、その中でイキイキと過ごす彼ら。住人達の保守さとIターン移住者との心の変遷。故郷の意義や真の優しさを描き、島に伝わる『幻の脚本』の噂を交え彼らの淡い恋心や島の課題を抉る。泣ける。後半からラストはファンにはたまらない!太陽を浴びイキイキ成長する姿にあなたもきっと島に訪れたくなる‼️🙇

2020/02/20

射手座の天使あきちゃん

銀色のシャワーのような太陽の煌めき、立ち上る汐と魚の臭い、舟のエンジンや汽笛の音 徳島県の海沿いの町で子供時代を過ごした身には、この情景は懐かし過ぎますぅ! 瀬戸内海の冴島からフェリーで本土の高校に通う朱里・衣花・源樹・新の同級生4人の物語 忘れていた古い日記帳を読み返したときのように甘酸っぱく知らぬ間に頬が緩んでしまう素敵なお話でした!(笑)。 

2016/07/24

カメ吉

やっと読了。色々な用事が続き読書する時間が極端になかったけどなんとか読めました。 作品はとても温かくて、それでいて現実的で厳しさもあって、と引き込まれてしまいました。『島』で生きる4人の高校生を中心に出会いと別れと過去と未来など贅沢に盛り込まれて読み応えも十分でした。特に登場人物たちが全て魅力的でそれぞれの人の持つ過去とこれからの未来がきちんと描かれてよかった!読後感がよかった。諦めず読んでよかった。

2016/09/20

nobby

辻村作品にはこれまで幾度と涙誘われてきたが、どれも堪え切れない切なさや哀しみから生じたもの。それに比べて、今作はなんと清々しく爽やかなのか!行ってらっしゃい↔︎行ってきます、おかえりなさい↔︎ただいま、この何気ないコール&レスポンスがこんなに胸に響くなんて…離島で暮らす高校二年生4人を中心に描くのは、決して楽観的な日常や未来ではない。その中に母子手帳とか“幻の脚本”なんて島にまつわるエピソードが見事に繋がるのは流石。最後の最後で登場な環と「私の大事な人」の台詞に感極まって読了♪

2017/07/21

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