水鏡推理5 ニュークリアフュージョン (講談社文庫 ま 73-12)
水鏡推理5 ニュークリアフュージョン (講談社文庫 ま 73-12) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
魅力的なヒロインを描く松岡先生にしては異色のヒロイン水鏡瑞希。官僚の中の一般職。新クリーンエネルギー『核融合』の実現可能性が高いと国家から多額の予算承認が降りそうと!丁度直前に読んだ本で宇宙物質の水素占有率の高さや核融合の知識を得ていた為一層興味深い。途中不妊ウイルスを投与されたと暴れる女性。結局精神的病と診断される。目に見える情報から隠れた真実を見抜く才覚を持つ瑞希。核融合プレゼンに違和感を!瑞希が巻末でICレコーダーに吹き込む『核融合』への叫び!大共感‼️お偉方よ、せめてこのくだりだけでも読め‼️🙇
2020/04/29
hiro
『万能鑑定士Qの最終巻』にも登場した瑞希は、研究公正推進室へ異動となって、今回もそこで研究の不正を暴いていく。Ⅲのときも「人面塚」と「地磁気逆転」というまったく関係のなさそうな2つのキーワードのどこに接点があるのか見当もつかなかったが、今回は「不妊バクテリア」と「核融合(ニュークリアフュージョン)」にどんな接点があるのか、瑞希の解明を楽しみに読んだ。もちろん瑞希の活躍で、ほろ苦さを感じながら2つのキーワードは見事に“融合”した。最後は二十二年前のあの日の朝のことを思い出しながら読了した。
2017/01/18
Yunemo
今までになくシリアス観漂いながらの本作。最新の時事ネタ、いつもの薀蓄等々盛りだくさん。核融合の捉え方、まさか次世代エネルギーと妊娠を同一範疇で捉えるなんて。これを起点として展開、何だか面食らったままで。社会保障費が今まさに議論されているこの時期に、少子化の問題を真正面から。パラサイト・シングルと、収入の不安定化、両方がそろった結果、少子化になった今のこの時代。成程と頷いて理解。それにしても簡単に人を精神不安定に!特に働く女性の不安感、母と娘の不信感、いろんな感情煮詰まって。人を信じることの難しさ、改めて!
2016/12/18
utinopoti27
文科省ノンキャリ事務官「水鏡瑞希」の活躍を描くシリーズ第5弾は、核融合研究の検証がメインテーマ。原子核融合と不妊バクテリア、この一見関係なさそうなキーワードを巡って事件が起こるのですが、ちゃんと辻褄が合ってくるからあ~ら不思議。今回も、相手の理論武装をきっちり論破する、瑞希のロジックが冴えわたります。また、家族愛をサブテーマに持ってくるなど、人間ドラマとしての側面も見逃せません。ただ、瑞希があまりに切れ者すぎて、ラストの推理はさっぱり理解できなかったけれど、ファンなら許せます(笑)。安定の面白さに感謝。
2018/05/26
さばかん
もはやすっかり社会派になってしまった本シリーズ。 もはや研究捏造ミステリーは添え物になってしまった。 まぁいつか実現できるであろう核融合よりも、目の前の少子化問題の方が大事だからね、仕方ないね。 まぁでもミステリーの部分も人間ドラマの部分も面白かったから別にいいんだけどね。 思いは一つ、日本の明るい未来のために。
2017/01/25
感想・レビューをもっと見る