旅猫リポート (講談社文庫 あ 127-4)
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旅猫リポート (講談社文庫 あ 127-4) / 感想・レビュー
海猫
猫と青年がワゴン車で旅するロードノベル。青年が旅先で出会った友人たちを描く、連作小説の要素も兼ね備えている。青年は飼い猫を引き取ってもらおうと旅をしているわけで、なぜに猫を手放さねばならないのか?伏せたカードのようになかなか明かされない。各話で回想のように青年の過去が語られたり、事情をなんとなく察したころにはもう終盤。奇麗に畳み込んで物語は終わる。興味が持続するし、情動を刺激する手段としても良くできた構成。シリアスな要素が強い内容ではあるが、猫による猫目線での語りの挿入がユーモラスで上手く中和してくれる。
2018/08/31
小梅
もう涙なくては読めない。中盤以降は嗚咽で中断し鼻をかんで、また読むって感じでした。なぜ大好きなナナを貰ってくれる人を探してるのかな?途中からもしかして…と思ったらやっぱりそうですか。ナナを貰ってくれる人を探しながらの旅は、大好きな人達に会いに行く旅だったのね。表紙が村上勉さんですもんね〜コロボックルがカメオ出演?してましたね。有川浩作品は何冊も読んだけど、この作品が1番だな!
2017/03/22
ユー
なぜ、飼い猫と一緒に旅に出るのか?転校した数だけ思い出があり、友人が存在する。飼い主の人柄が最初から最後までぶれずに書かれています。転々としているのに、「心」が伝わり慕われる存在。友人にも猫にも。小説の中ですが、人として尊敬します。
2017/05/14
さてさて
この感想を書いているだけで、また涙が、という結末。それを包み込むやさしさとあたたかさの幸せな感情。 『この本はヤバイやつや!電車で読んだらあかんやつや!』 猫が好き、猫が嫌い、そんなことなどあまりにどうでもよく、『感涙にむせぶ』という言葉は今日この瞬間にあったのだと感じた、読む場所に最大限の注意を払うべき圧倒的な傑作、名作だと思いました。
2020/09/21
ミュポトワ@猫mode
図書館本。泣いた。本気で声出る寸前まで泣いた。鼻すすりながら読んだ。最後がやばい。グってくる。悲しいんじゃない、いやもちろん悲しいんだけど、良かったねって思って泣いた。悲しい場面はそんなにないです。でも泣きます。今思い出してもウルウルきます。猫が一人称で話す話です。吾輩は猫であるみたいな感じ。我輩~と同じようにポップでユーモアがあるので、読んでて楽しいです。人間だけの会話もあるので、補間もしてくれるので、スルスル読めます。っで、最後のほうで泣きます。こんなに面白いなって読んで最後で泣くの初めて。良本でした
2019/02/28
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