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舞台 (講談社文庫 に 38-1)

舞台 (講談社文庫 に 38-1)

舞台 (講談社文庫 に 38-1)

作家
西加奈子
出版社
講談社
発売日
2017-01-13
ISBN
9784062935821
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舞台 (講談社文庫 に 38-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

偽私小説の体裁をとる。ベースとなっているのは太宰の『人間失格』(私小説ではないが、私小説風を装った小説)。主人公の名前からして葉太(太宰は葉蔵)と、いかにも見え透いているのだが、これもまた作者の韜晦の内なのだろう。葉太は、終始一貫して過剰な自意識に翻弄され続けるが、残念ながら読者は彼に共感することなく、客観視してしまうだろう。あるいは、それも作者の狙いなのかもしれないが。そして、本書は同時に引用小説でもある。引用文献は『地球の歩き方ニューヨーク』であり、ニューヨークを彷徨する物語として展開する。⇒

2018/07/02

ぷう蔵

人は人生という舞台でいつも演じている。この本の主人公やその父、私は彼らに妙にシンパシーを感じる。見栄やハッタリ、体裁を気にして変に繕ったり。小学生の頃は落ち着きがないとよく先生に言われた、お調子者だったのだろう。今でも人と話していると調子に乗って無駄に喋ってしまい、後からなんであんなに調子に乗って、気取って、格好つけて、理屈っぽく、知ったかぶって、喋ったのだろうと反省する。が、また同じことを繰り返す。こうやって八方美人に周りに嫌われないようにこれからも行きていくのか?うーん、なんとも“しゃらくさい”…。

2017/06/28

bunmei

太宰治の「人間失格」をこよなく愛する青年・葉太のニューヨーク無一文物語。たて前と本音との狭間の間で、幼き頃から支配されてきた虚栄心が邪魔をして、自分を曝けだせない葉太。情け無くもあるが、それって、きっと誰もが持ち合わせているもので、葉太の想いに大いに共感できたのは、僕だけではなかったのでは…。

2017/02/20

ゴンゾウ@新潮部

葉太は西加奈子さんが描く主人公の中では単純でわかりやすい。極端に自意識過剰で生命の危険に晒されても周囲の見る目を意識してしまう。嫌っていた有名作家の父親も実は極端に自意識過剰でかっこいい自分を演じていた。そんな彼等がかえって滑稽で一気に読みきってしまった。自分の中にも葉太のような一面がもちろん多々あった。 人間失格の葉蔵もそうだけど、イケメンでも金持ちでもないがフーテンの寅さんが頭をよぎってしまった。

2017/08/15

はなちゃん

まったく遠い内容の小説みたいだけど、共感するところが多くもあった。みんな、意識する、しないに関わらず、こんな自分、あんな自分を演じているところがあると思う。それについて、葉太ほど深く考えたことは無かったけれど、「舞台」を読んでいて、逆にそれを自覚したような…

2017/02/08

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