晴れたり曇ったり (講談社文庫 か 113-2)
晴れたり曇ったり (講談社文庫 か 113-2) / 感想・レビュー
佐島楓
この本の題名にもなっている、「晴れたり曇ったり」という喫茶店、私も知っていました。その後何度か代替わりしていて、今はどんなお店かわからないですが、懐かしく思い出しました。思わぬところですれ違ったりしていたのかな? と想像するの、楽しかったです。
2017/02/21
アン
四季折々の暮らし、家族や学生時代の大切な思い出、いつもそばにある本等について、楽しく、そして真摯に綴られています。「あれもこれも揃えてしまわないで、少し足りないけれどまあそれはぼちぼち、と思って過ごすこと。」お話しながら、一緒に散歩しているような気分になりました。川上弘美さんの愛情の詰まった素敵なエッセイです。
2019/04/12
テトラ
日々のことや読書のこと、これまでに考えてきたことを綴ったエッセイ集。穏やかな気持ちになる。「生きていても、会わなければ、いないのと同じだ。同じように、生きていなくとも、思いだせば、会っているのと同じだ」「今この瞬間、わたしは生きていると思った。もうそれだけでいい、それだけで、と思った」何か小説を書きたくて、書けなくて鬱屈としていた川上さんの学生時代。小説を書き始めてから気付いたのは、書くという行為が死について考えることであるということだったという。晴れたり曇ったりの毎日だけどとりあえず生きてさえいればね。
2017/04/12
クプクプ
エッセイです。本文中の次の文章にはっとさせられました。「子供の潔癖さって、ちょっとこわい。不純で鈍感な大人。けっこうわたしは、好きだ」。この文章を読んで私が自分の中に子供っぽい部分があると思い当たりました。それと川上弘美さんがデビューするにあたって「神様」は有名ですが「椰子・椰子」がそれより前に書いてきっかけをつかんだ作品だと知りました。また、川上弘美さんが北杜夫の本が好きなのは個人的にうれしかったです。ところが後半にショッキングな大きな告白がふたつありました。川上弘美さんを深く知りたい方にはオススメです
2019/03/24
tu-bo@散歩カメラ修行中
2002年1月~2012年3月に新聞社、雑誌(家庭画報、ミセス等)文庫解説といくつかの書き下ろしで上梓したもの。雑誌は読者層がかなり絞られている。いつもながらの「不思議ちゃん」「宇宙人」ぽい調子だけでなく幸田文、向田邦子風のエッセイもあり読者を楽しませてくれます。書き下ろしエッセイでは、2009年の離婚告知あり。人間ドックで見つかった膵臓腫瘍にまつわる5年生存率10%のがん騒動の顛末(実際は、難病だががんではなくて自己免疫疾患)と当時の心模様を描いたBlue moonが異色で考えさせる。★4
2018/07/03
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