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あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫 は 103-3)

あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫 は 103-3)

あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫 は 103-3)

作家
原田マハ
出版社
講談社
発売日
2017-05-16
ISBN
9784062936606
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あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫 は 103-3) / 感想・レビュー

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女性が主人公の短編集。『浪打ち際のふたり』が1番好きです。つかず離れず深く聞かずとも分かり合える女同士の友情が羨ましい。女性が30代40代と年齢を重ねていくと、それまで人生で自分のことだけに費やせば良かった時間やお金等が今度は両親、家族等大切な人にかけるようになり心配事も別の種類になる。誰もが経験をする親が死ぬ日が来るのであるが自分はまだ覚悟が出来ておらずいざその日が来た時、来る直前に何が出来るのだろう、しっかり見送ることが出来るだろうかと考えてしまいました。母親と娘という時間はあとわずかかもしれません。

2017/07/16

さてさて

この作品では、主人公がさまざまな形で関係した人たちのことを思う中で、そこにお互いに思い合う関係性がふっと浮かび上がる物語が描かれていました。そう、それは誰でも同じこと、あなただって、誰かのことを大切に思う一方で、『誰かの大切な人』でもあります。気づくようで気づけない、人が人を思いやる感情の機微がこの作品では六人の主人公の目を通して柔らかな筆致の中に描かれていました。原田さんらしくアートに関連するキーワードが、そこかしこに散りばめられたこの作品。優しさに満ち溢れた六つの物語にほっこりと魅了された作品でした。

2022/08/01

hit4papa

三十代後半から五十代までのシングル女性が主役の短編集。彼女らは、自身のやりたい事を成し遂げた方々ですが、老いとか死とかちらついているので、どうにも寂しさがつきまといます。イケメンの父に苦労されっぱなしの老齢の母の死「最後の伝言」、LAに住む老婦人との交流「月夜のアボガド」、50歳をむかえた女性が振り帰る亡き父のこと「無用の人」、イスタンブール取材旅行での出会い「緑陰のマナ」、年下のビジネスパートナとの再会「皿の上の孤独」、いくつかの作品の旅友お二人(ハグ&ナガラ)がお年を召して再登場「波打ち際のふたり」。

2019/01/19

ehirano1

「無用の人」について。唯々『美しい』を感じる物語でした。ラストシーンはある程度推測は出来ましたが(これはミステリー小説ではないのでそんなのはそれこそ無用なのですがwww)、その風景は瞼に浮かぶことが出来ました。読後に、私が中学時代の美術教師が一貫してそして卒業の言葉としても『美しいものを美しいと思える人になりなさい』と言われていたことを懐かしく思い出しました。

2023/09/16

三代目 びあだいまおう

母はもうすぐ80。苦労してきました。親父が酒乱で、時に「文句があるなら俺のこと刺せ」とナタを中学時代の私の前の畳に突き刺した!母はその夜親父に喰ってかかった、飲めない酒を、しかもウイスキーを一気飲みして。飲めないくせに、親父の酒癖を恨んで!中学生の私は布団の中で泣いた!誓った!母を守ると!これ、マハ先生の実話かなぁ。きっとあなたは誰かの大切な人なんだよ!あなた気付いてないでしょ!でも、ホントなの!『あなたは誰かの大切な人』本作は短編集です。『月夜のアボカド』よかったなぁ!あと「マナ」、落涙するわね‼️🙇

2018/12/26

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