かわいい結婚 (講談社文庫 や 77-1)
かわいい結婚 (講談社文庫 や 77-1) / 感想・レビュー
chantal(シャンタール)
もう21世紀だというのに、例えば「家事は女性がするもの」とか、「女性は若ければ若い方が良い」なんて言う考え方がまだまだ残ってるんだなって、軽い文体のお話なのに、読み終わった後なんとなくどんよりした気持ちになる。結婚しない人に対する差別的な意識とかも、やっぱりまだまだあるんだろうな。どこへ行くんでも、それなりのカッコしてメイクして出かけないと変に思われるとか、ホントに女性って大変よね。報われなさすぎるわよね。あまりにも現実的すぎて、ほんとにどんより?
2018/02/05
じょんじょん
地方出身の若い女性の鬱積感、焦燥感など描いたらぴかいちの山内マリコさん。3編の短編がおさめられるこの短編集はちょっと力が抜けた(はいっていない)印象を受けました。一作目は家事ができない新婚妻が家事にめざめる様子がユーモラスにいい感じに展開するけれど、エンドが尻切れな感じ。二作目の女性に変身した傲慢男子が女性の気持ちに初めて気付くストーリー、これは女性でなければ書けないストーリーで楽しめて、かつ勉強になりました。三作目はちょっとよくわからなかったです。エンドもなあ。でも山内マリコさんは好きなので他も読みます
2018/01/22
優希
結婚にまつわる3つの短編でした。どの物語も可愛いながら、リアルで嫌気のさす要素をさりげなく交えているように見えます。結婚の夢とリアルをブラックとユーモアで語るので、結婚を夢見ている人は読まない方が良いかもしれませんね。
2021/12/11
エドワード
かわいい結婚という題名は皮肉な毒だ。何でもかわいいで済ます現代日本。下着店の店長として有能だったひかり。家事全般が苦手な彼女、結婚を機に家庭に入ってどうなる?夫のまーくんは両家の会食の席でひかりの父親に「公務員試験を受けたらどうだ?」と聞かれ「無理。勉強したくないから。」と答える。すごい場面だが誰も怒らない。ああ絶望。地方都市に生きる全世代の閉塞感、マイルドヤンキー全開の現代の男女関係の闇は山内マリコさんの真骨頂。「絶望から解放されるには思考停止が手っ取り早い。」湯山玲子さんの解説が社会学者顔負けで爽快。
2021/03/01
ぽぽ
結婚にまつわる3編。表題作が好き。一緒になる人は、イケメンじゃなくても、仕事のできない人でもいい。そのままの自分を受け入れてくれる人が一番。覗き見してるみたいで照れちゃったけれど、お互い背伸びしない、ひかり夫婦が可愛くて素敵だった。その他、女性になってしまった男の1日を描いた「悪夢じゃなかった?」、地元と都会の女性2人の変貌を描いた「お嬢さんたち~」。軽い文章ながら女性の本質を突くものばかりで、意外と辛辣。ふむふむ、と興味深く読めた。
2018/06/09
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