シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (講談社文庫 ま 73-16)
シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (講談社文庫 ま 73-16) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
またもや一気怒濤に読まされました!松岡先生の天才ぶりを堪能!題材を思い付いてもここまで面白くできるのは、私説『松岡圭祐は天才である』が周知の事実である裏付けか。ホームズがかのライヘンバッハの死闘を超え、生き延びた事を伏せたまま日本へ。伊藤博文と組み、大津事件で最悪化する日露関係に踏み込むストーリー。人智を凌駕するホームズの観察眼の凄まじさ、それ以上にそれを描き出す作者の才に私達は狂喜するしかない!リアル過ぎて、ホームズ含め史実の現場を覗いているような錯覚!止まらない圧倒的なリーダビリティを堪能あれ‼️🙇
2019/12/19
徒花
おもしろかった。ラインバッハの滝で宿敵モリアーティを倒した後、じつはシャーロックホームズが明治時代の日本に渡航して伊藤博文と活動していたという歴史改変?(ホームズはそもそもフィクションだけど)ミステリー。タイトルには「対」と入っているけれど、実際には伊藤博文がワトソン役。日本で取り上げる事件はソ連のニコライ殿下が切り付けられた大津事件で、真相を解明し、ロシアと日本の回線を避けらえるのかが物語の中心。エンターテイメント性が高くて最後まで楽しめるし、「兄弟愛」というテーマがあるのも悪くない。
2018/08/21
ehirano1
ホームズについてはvs.モリアーティ(コナンドイル原作)、vs.ルパン(ルブラン)、and夏目漱石(島田荘司)、夏目漱石≒ホームズ(柳広司)とマッチアップだったりパートナーだったり、果ては憑依(勝手に勘違い憑依www)だったりとある意味、野球のオールスターゲームの起源にも感じます(ワトソンは涙目でしょうけど・・・)。本書は、まさかの本邦初代首相の伊藤博文とはいやはや驚きました。でも、どうして伊藤博文なのか?というのは野暮なのでしょうか。
2021/10/14
ナルピーチ
シャーロック・ホームズの新たな物語。モリアーティとの決戦後、ライヘンバッハの滝に落ちて死んだと思われたホームズ。幼い頃に出会った伊藤博文を頼りに、なんと日本へやって来ていた?!明治の世に実際に起きた「大津事件」を題材にして、松岡先生ならではの創作を上手く融合した物語は実際にあったのでは、と思わせる程の濃厚で謎に満ちた内容だった。本作を読むまで事件の事を知らなかったのが残念。未読の方は是非とも大津事件の概要を知ってから読み始めると更に面白みが増すと思う。奇跡のコラボを存分に満喫し、楽しく読了!
2022/04/30
KAZOO
この作家さんは初めてでしたが、かなりホームズの原典を読んでいる気がしました。ライヘンバッハの滝から落ちで死亡していたものと思われていたのが、しばらく身を隠して日本での日露戦争前の日本とロシアの関係、とくに大津事件の背景を探っていくという物語を書かれています。伊藤博文なども良く調べているように感じました。この作品以外のものも読んでみようかという気になりました。
2017/08/28
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