道徳の時間 (講談社文庫 こ 90-1)
道徳の時間 (講談社文庫 こ 90-1) / 感想・レビュー
イアン
★★★★★★★☆☆☆江戸川乱歩賞を受賞した呉勝浩のデビュー作。13年前、300人の生徒の前で講師を刺殺した男は「これは道徳の問題」とだけ呟く。時を経て服毒死した陶芸家の部屋からも「道徳の時間を始めます」という落書きが見つかる。ジャーナリストの伏見は、映画監督の越智に請われ刺殺事件の関係者を当たるが…。13年前の事件は冤罪なのか。2つの事件に関連はあるのか。動機面に釈然としないものは感じるが、畳み掛けるような謎の提示には惹き付けられた。作品化にあたり大幅に改稿されたそうだが、物議を醸した原作も読んでみたい。
2024/05/14
H!deking
こないだブックオフで見つけてやっと読めた呉先生のデビュー作ですね。いやーやっぱり凄い人って最初から凄かったんだな、と再認識。めちゃくちゃ引き込まれました。これは自分の問題ですが、装丁から全然違うストーリー想像していました。ディテールというかキャラクターの作り込みに脱帽です。さて道徳の時間です。あなたにとって道徳とは?
2023/05/29
k5
江戸川乱歩賞受賞作。休業中の映像作家伏見が紹介されたのは、大手出版社がスポンサーについた新人作家のドキュメンタリー映画の撮影という、いささか怪しげな仕事。一方、移住した先の妻の故郷では、陶芸家の変死事件に伏見の息子が巻き込まれ、、、複数の事件と多くの登場人物が絡みあうつくりですが、興味を失うことなく最後まで楽しめました。タイトルの意味が後半で深まるのもいいですね。若干、女性のキャラが設定の割に弱いようにも思いますが、いい作品でした。他の作品も追いかけようと思います。
2023/10/15
もりくに
本屋に行ったら「爆弾」が、「ビニ本」になっていた(!)漫画以外で、初めて見た。というわけで、呉さんのデビュー作を。T県鳴川市では、悪質で不可解な事件が起きていた。先ず兎が犠牲に、「生物の時間を始めます」。次いで幼女に被害、「体育の時間を始めます」。そして陶芸家の死体発見、当初は自殺と見られたが、「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」のメッセージが発見され、殺人?。一連の事件は、住民に13年前の「鳴川第二小事件」との関連を想起させた。そんな時、フリーのフォトジャーナリストの伏見に、仕事が持ち込まれた。→
2024/10/29
フユコ
キャラクターが多いからなのか、少しテーマが分散されているような気にもなったけど、次に再読の機会があればもう少し読み込めるんじゃないかなと思いました。 知りたいという人間の性はどうしようもないもの。何かを受け取る時、それを出してるのも人間である事を忘れないようにしていきたいと思いました。 全てが平等にされた情報なんて無いに等しいのかもしれない。
2020/12/21
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