ウォーク・イン・クローゼット (講談社文庫 わ 28-1)
ウォーク・イン・クローゼット (講談社文庫 わ 28-1) / 感想・レビュー
しんごろ
『いなか、の、すとーかー』…透の優柔不断というかはっきりしない態度に好感が持てない!まあ、いい意味では優しいんだろうけどね。さっさっと警察に突き出しちゃえばいいのにねえと思いながら苦笑いしつつ、読了しました。ストーカー、怖いわ!『ウォーク・イン・クローゼット』…主人公にあまり好感は持てないけど、デートの時に着る服は考えるだけでも楽しいよね。それもデートのうちだね。早希とユーヤ、いつか一緒になってほしい。だりあは幸せになってほしいね。主人公に好感は持てないけど、どちらも読後感は悪くないです。
2018/04/03
hit4papa
タイトル作は、恋愛至上主義の女子のささやかな成長物語です。男女問わず、異性に対する戦闘モード的な時ってあるよなぁ。反省もままならず、失敗を繰り返すこと度々、という主人公の生き様にととりあえず共感してしまいます。幼なじみのプチ有名人にスキャンダル発生。彼女のために奮闘する主人公は、と続きます。収録作の「いなか、の、すとーかー」は、駈け出し陶芸家へのまとわりつくストーカー女子らの話です。イタい女子らの謎にみちたアブない行動。こわっ!と読み進めるうちに、いつの間にやらきれいにまとまってしまいました。失速・・・
2019/06/22
さてさて
二編の中編からなるこの作品。〈いなか〉の方は”すとーかー”という言葉に一瞬緊張感が漂いますが、これをひらがなで表記している、その印象そのままの物語が展開します。一方の〈ウォーク〉の方は、こんなところに着目するんだ、さすが綿矢さん!という物語が展開していきます。良い意味で、とても読みやすく、とてもわかりやすい作品だったと思います。その分、他の作品に比べて、ハッとするような言葉が登場する割合こそ低くなってしまっていますが、目の付け所の面白さ、構成の巧みさ含め、読後に清々しい満足感が残る、そんな作品でした。
2020/11/12
えりこんぐ
若かりし頃、クローゼットにはときめく服がいっぱい詰まってたな。今は実用感満載だけども。そんな時を思い出させてくれる、ちょっと元気が出るお話。もう1つはガラリと変わって、ストーカーもの。確かに怖いんだけど、くすっと笑えるのはなぜなのか。不思議と嫌悪を感じない。女→男パターンだからかな。さらっと読める1冊【積読23】
2020/05/10
エドワード
女性と洋服の切っても切れない関係を描く標題作。男だって服装は大事だよ。スーツは戦闘服だし。でも女性の洋服にかける情熱にはかなわないね。OLの早希とタレントのだりあ。合コン、ライブ、幼馴染み二人の華麗な恋愛遊戯、と思いきや、後半はだりあの妊娠とパパラッチのサスペンスだが、作者の優しい視線がハッピーエンドへ導く。本筋に挟まれる小ネタが読んでいて楽しい。もう一編は陶芸家の石居が妄想女性ファンに追い回される物語。ところがストーカーは彼女一人じゃなかった!こっちは視線が優しくない。芸術家ならではの辛さが垣間見える。
2018/09/14
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